2020年(令和2年) 6月7日(日)付紙面より
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鶴岡市湯温海の「あつみ温泉ばら園」では四季咲きのバラで今の時期が見頃となる品種が満開を迎えた。新型コロナウイルスの影響で14日開催予定の「ばら園まつり」は中止になり、例年県外からの観光客でにぎわう付近の同温泉街も閑散としているものの、バラのほのかな甘い香りが訪れる人たちを待ち構えている。今月いっぱいまでは楽しめそうだ。
同ばら園は昨年6月発生の本県沖地震で石垣が崩れ、地面がひび割れるなどの被害に遭い一時立ち入りを禁止していたが、昨秋から一般客の来場を再開。同市のあつみ観光協会によるとバラは約90種3000本で、今年は例年より10日ほど開花が早くゴールデンウイーク明けからばら園についてや見頃を尋ねる問い合わせが多いといい、同観光協会の阿部麻由子さん(34)は「自粛の中でいかに3密を避けリフレッシュできるかを模索する人が多いと思う。近くの方はぜひ気分転換へ」と話している。
10年以上足を運んでいなかったという田中幸雄さん(72)と鈴子さん(69)夫妻=庄内町=は「今年は人が少なく驚いた。こんなにきれいにバラが咲いているのに。名物の元禄餅(もち)でも買いながらゆっくり見ていく」と目を細めていた。