2018年(平成30年) 5月10日(木)付紙面より
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鶴岡市羽黒町手向の出羽三山神社(宮野直生宮司)の祈年祭と三神合祭殿再建200年奉祝大祭が8日、羽黒山頂の三神合祭殿で行われた。農耕神事で五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するとともに、再建200年の節目を祝った。
三神合祭殿(明治以前は羽黒山寂光寺)は開山1400年余の歴史の中で2度焼失し、再建されている。現在の社殿は1796(寛政8)年の出火で焼失後、第75代覚諄(かくじゅん)別当が1818(文政元)年に再建。2・1メートルの厚さの茅葺(かやぶ)き屋根が荘厳さをたたえる。2000年に国重要文化財に指定。
この日、拝殿には約220人が参列。宮野宮司が神事で五穀豊穣を祈願するとともに、覚諄別当が羽黒山復興を担い再建した歴史をたたえる祝詞を奏上した。農耕神事は田作りを模した「御田植神事」や優雅な「田舞」を奉納。本殿を田に見立てて、神職が鎌やくわを手に田を耕す所作、牛の面を着けて代かきし、種をまくなどの農作業を披露した。引き続き、巫女(みこ)たちも加わり田舞歌に合わせて男女10人がゆったりとした田舞を厳かに繰り広げた。
同神社では三神合祭殿再建200年を記念し現在、羽黒山中の国宝羽黒山五重塔内部の特別拝観、山頂儀式殿では覚諄別当が羽黒修験者に託した羽黒三所大権現の秘仏初公開を行っている。
また、山頂の鏡池周囲では、奉賛者名を刻んだ石製の玉垣(境内の境界に巡らせた垣)の設置が進められている。麓の羽黒街道に架かる大鳥居は今秋に建て替え予定。奉賛の問い合わせは出羽三山神社社務所=電0235(62)2355=へ。