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2019年(平成31年) 2月6日(水)付紙面より

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出羽三山の魅力 理解深める

 日本遺産「出羽三山 生まれかわりの旅」案内ガイド育成研修会が4日、鶴岡市のいでは文化記念館で開かれた。庄内民俗学会代表幹事の春山進さんの講演を通じて、日本古来の山の自然と信仰の結び付きを今に伝える出羽三山の魅力に理解を深めた。

 文化庁が2016年4月に日本遺産に認定した「出羽三山 生まれかわりの旅」の認定ストーリーは「自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』?樹齢300年を超える杉並木につつまれた2446段の石段から始まる出羽三山?」。研修会は出羽三山推進協議会が主催し、昨年度から案内ガイドの育成を図っている。この日は約40人が参加。春山さんは「よみがえりの信仰風土」と題して講演した。

 春山さんは「庄内には祖霊信仰の風土が強く残っている」と紹介。庄内に伝わるモリ供養について「森林の森とは違う概念。死者供養を33年間続けると、その死者の魂は月山もしくは鳥海山の頂で神となって鎮まるという民俗信仰」と述べ、清水の三森山(西のモリ)、羽黒山の光星寺(東のモリ)が明治以前は宗派を超えた庄内を代表するモリの山で、明治以降は曹洞宗の寺院でも行うようになったことなどを解説した。

 庄内で特徴的な信仰の形の一つとして、仏壇の上に神棚があるのは「33年間の供養を受けて家の仏からその地域の祖霊になり、神棚にお迎えするため」と述べ、手向地区の春山代参「坂迎え」については「山の神である祖霊を田の神としてお迎えする宗教行事」と説明した。

 春山さんは縄文考古学のキーワード「回帰」「再生」「循環」の3つを挙げて出羽三山のよみがえり(生まれかわり)の背景を解説。「母なる大地、母の胎内への回帰に秋の峰の胎内修行がある。月の満ち欠けは再生のシンボルで月山、聖なるものの水と火が結合した湯殿山の湯(薬湯)も再生の道具。生と死の循環の象徴的なものに即身仏がある」と述べ、「ほかでは失われていった縄文時代の考え方が、一度も途切れることがなかった羽黒修験道などと結び付いて出羽三山の『よみがえり』の奥底に流れているのでは」とひもといた。

庄内のよみがえりの信仰風土について解説する春山さん
庄内のよみがえりの信仰風土について解説する春山さん



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