2021年(令和3年) 12月1日(水)付紙面より
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鶴岡市の櫛引地域の歴史文化と食に触れる鶴岡商工会議所主催のイベント「歴史探訪?櫛引めぐり」が28日、同地域を中心に行われ、参加者が文化施設などを訪ねて、地域の独特の歴史や文化に理解を深めた。
城下町探訪と食文化体験を組み合わせて同商議所が2015年から継続実施しているイベントで、今回は酒井家庄内入部400年記念事業の協賛事業として企画。当初定員25人の3倍を超える応募があり、鶴岡市や三川町から39人が参加した。二つのグループに分かれて500年を超える歴史を有する伝統芸能の黒川能の里・王会館、黒川地区の鎮守・春日神社、戦国武将・加藤清正公の嫡子・忠廣公が配流され、加藤家終焉(しゅうえん)の地とされる丸岡城跡史跡公園や天澤寺などを巡った。
国指定重要無形民俗文化財の黒川能が2月の王祭で奉納上演される春日神社では、黒川能の里観光ガイドの会の遠藤正昭会長の案内で社殿内を見学。遠藤会長は「全国的にも両脇に橋掛かりがある能舞台は珍しい。中央にある『法光院柱(ほうこういんばしら)』を隔てて上座と下座の二つの地区に分かれ、能や神事を競い合うことで地域全体の泰平と豊作を祈る」と解説。参加者からは「鶴岡に住んでいるにもかかわらず知らないことがたくさんあり、櫛引の歴史を知ることができた。また個人でゆっくり訪れたい」などの感想があった。
歴史探訪は、酒井家とのつながりや新たな鶴岡の歴史を知ることで地元愛を育んでもらうことが目的。参加者からは「田川太郎をはじめこうした企画があれば、ぜひ参加したい」「庄内の歴史探訪を検討してほしい」といった要望も寄せられた。