2017年(平成29年) 9月27日(水)付紙面より
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鶴岡市長沼地区の特産品として栽培されている「マコモダケ」の収穫が始まった。タケノコやアスパラガスに似た食感でほのかに甘味のある野菜で、地元の直売所で販売されるほか、東京のレストランなどにも出荷している。
マコモダケはイネ科の水生植物「マコモ」の花芽に黒穂菌が寄生し根元がタケノコ状に肥大したもの。2メートル以上に伸びた草丈の根元部分を食べる。長沼地区では長沼温泉「ぽっぽの湯」のリニューアルに合わせて新たな特産品として導入し、13年目。くせのない味で中華や洋食などどんな料理にも使えて人気がある。
藤島地域では長沼を中心に生産者4人が「長沼マコモタケ部会」(板垣久喜代表)を組織して生産。このうち板垣代表(70)=鶴岡市長沼=の水田の一部を使った8アールのほ場では、5月2、3日に460株を植栽。寒暖の差が大きい方が生育はよく、例年より1週間ほど早く今月8日から収穫が始まった。
青空が広がった22日午後は、黄金色に染まった稲に囲まれたほ場で、2メートルほどの草をかき分けて根元が白く膨らんだものを収穫。板垣さんは「毎日見回って収穫適期のものを出荷する。手作業なので手間はかかるが、地元のレストランや湯田川温泉の旅館などからまとまった注文がある。少量の油で炒めて塩・コショウするだけ、また生で食べてもおいしい」と話していた。
マコモダケは長沼温泉「ぽっぽの湯」併設の農産物直売所を中心に販売。収穫時期は長く、今年は来月20日ごろまでを見込んでいる。