2016年(平成28年) 5月8日(日)付紙面より
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酒田市八幡地域で6日、東日本大震災の被災地に送るためのヒマワリの種まきが行われ、市条保育園(御舩洋子園長、園児42人)の園児や近隣住民が計約3キロの種をまいた。
この活動は、市の第三セクター「鳥海やわた観光」(和田邦雄社長)が2013年から始めた。鳥海高原ヨーグルト製造や入浴施設「ゆりんこ」運営などを行っている同社では、社員がまとまって休めないため、地元でもできる震災復興ボランティアとして、福島県南相馬市の福祉作業所「南相馬ファクトリー」が取り組む「ひまわりプロジェクト」に参加したのがきっかけだった。
同プロジェクトは、震災で仕事が減った同作業所からヒマワリの種付きの缶バッジを購入し、バッジで復興への思いを広げるとともに、ヒマワリを育て、増えた種を作業所に送り返すもの。種から搾った油を販売し、運営経費などに充てるという。
鳥海やわた観光では13年から関連施設の敷地内のほか、八幡地域の農業法人「和農日向」にも転作田で栽培に協力してもらい、14、15年はともに約80キロの種を送った。今年で4年目。
この日、同市市条の鳥海やわた観光ヨーグルト工場内で行われた種まきには、市条保育園の2―5歳児27人と、同社の社員、近隣住民ら大人約10人が参加。約15アールに約3キロ(1万5000粒)の種をまいた。
園児たちは真剣な表情で割り箸で土に穴を掘り、「大きくなってね」と願いを込め、種を一つ一つ入れては土をかぶせる作業に取り組んだ。
和田社長は「われわれもこうした作業を楽しんでいる。楽しむことで、長く続けていきたい」と話した。9月末ごろには園児らに再び協力してもらい、種取り作業を行うという。