2018年(平成30年) 6月29日(金)付紙面より
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昨年4月に酒田市漆曽根の旧北平田小学校跡地でトマト栽培を始めた農事組合法人「ファーム北平田」(樋口準二代表理事)が27日、平田小学校(大戸晃彦校長、児童166人)に、児童たちに給食で食べてほしいと、同組合で生産したトマトを寄贈した。
同法人は2016年1月、同市北平田地区の農業者で設立し、組合員は104人。北平田コミュニティ振興会を介して市から旧北平田小の敷地を借り、ハウス4棟(計32・4アール)を整備、昨年4月からトマトを生産、首都圏に出荷している。
平田小は2013年4月、東平田、中平田、北平田の旧3小学校が統合し、旧平田中学校(12年4月に酒田二中と統合)の校舎を使って開校した。今回は、閉校した校舎敷地を使わせてもらっていることへの感謝を込め、初めて生産物を寄贈した。
この日、平田小で行われた贈呈式には、6年生32人が参加。樋口代表が「みんなで地域農業を盛り上げていきたい。じっくり味わって食べて」と、児童代表2人に酸味と甘味のバランスが良いという楕円(だえん)形のミニトマト「アンジェレ」15キロを贈った。
味見をした前田真歩さん(11)は「甘さも酸っぱさもちょうどいい。皮も薄くておいしい」、鈴木陽斗君(12)は「味のバランスが良く、今まで食べた中で一番おいしい」と話した。
樋口代表は「高齢化で担い手が減る中、地域農業を守るため、米以外の園芸作物をとトマトを始めた。地域農業を守る意義を、子どもたちに少しでも理解してもらえたら」と寄贈への思いを語った。トマトはこの日の給食で全校児童と教職員に数個ずつ提供された。
樋口代表はこの日、近くの北平田保育園にもトマト6キロを贈った。同組合は正社員2人とパート10人を雇い、年間を通じ、アンジェレと中玉高糖度の「フルティカ」の2種を栽培。昨年6月から出荷しているアンジェレの生産量は年間約20トンと、順調という。