2017年(平成29年) 11月22日(水)付紙面より
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山形、秋田両県にまたがる鳥海山(2236メートル)の噴火に備え、防災対策の検討・調整を行う「鳥海山火山防災協議会」の本年度初会合が20日、酒田勤労者福祉センターで開かれ、「噴火警戒レベル」を設定、そのレベルに応じた防災対策をまとめた。
鳥海山は活火山で、直近では1974年春に水蒸気噴火が観測されている。同協議会は2014年9月に発生した御嶽山(長野・岐阜県)の噴火を踏まえて15年3月に設置。委員は火山の専門家や国土交通省、環境省の出先機関、山形・秋田両県、酒田、遊佐、秋田県にかほ、由利本荘の4市町、自衛隊、消防、警察などの関係者ら約40人。
協議に先立ち、本県の佐藤仁喜弥危機管理監が「1974年の噴火から40年余が経過し、鳥海山はいつ噴火してもおかしくない状況。現在は特段の変化はなく平穏だが、万一に備え、観光客・登山客、この地に住む人たちの安全・安心を確保していきたい」とあいさつした。
噴火警戒レベルは火山活動状況などから5段階に分かれる。協議会は今回、火口を「全域」「新山周辺」の2つ想定。レベル2(火口周辺規制)は想定火口域から約1・5キロ、3(入山規制)では約4キロの範囲で大きな噴石が飛ぶ。4(避難準備)と5(避難)では大きな噴石や火砕流・火砕サージ、積雪時には融雪型火山泥流がそれぞれ4市町の居住地域まで及ぶとしている。
気象庁担当者は「警戒レベルは火山活動の活発さを表すものではない。噴火の規模が小さくても、居住地域まで影響する場合は高いレベルになる」と説明した。
引き続き警戒レベルに対応した防災対策を協議。協議会は今後、統一した火山災害対策を迅速に実施するために「避難計画」と「救助対策」を策定する。