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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 8月27日(日)付紙面より

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朝採りだだちゃ豆銀座で販売 いなほ・新幹線輸送 県のアンテナショップにファン行列

 JR東日本新潟支社と県は25日、鶴岡市の特産「だだちゃ豆」を、羽越本線の特急いなほと上越新幹線を利用して東京に輸送し、銀座にある県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」で販売した。朝採りの枝豆を同日午後に販売する取り組みで、アンテナショップには新鮮な枝豆の到着を待ちわびる“だだちゃ豆ファン”が行列を作り、販売開始から10分足らずで用意した25キロが完売する人気ぶりだった。

 JR東日本グループが取り組む列車荷物輸送「はこビュン」を活用した実証事業。県はこれまでもサクランボや尾花沢スイカなどの農産物を山形新幹線を使って輸送してきた。羽越本線ルートでは、昨年10月に酒田市特産の和梨「刈屋梨」を首都圏のレストランなどに届けた。

 今回は鶴岡市内の生産農家2軒が早朝収穫した「晩生甘露」を250グラム入り40袋、500グラム入り30袋の計25キロ用意し、保冷剤を入れた発泡スチロール箱4箱に詰めた。鶴岡駅午前9時31分発「いなほ6号」の車内販売準備室に運び入れ、同一ホーム乗り換えとなる新潟駅で上越新幹線に移し、東京駅に午後1時半ごろ到着し、アンテナショップに運んだ。

 同ショップでの販売価格は250グラム690円、500グラム1440円。午後2時の販売開始前に10人ほどが並び、届いたばかりの新鮮な朝採りのだだちゃ豆を2、3袋と買い求め、計70袋が10分足らずで売り切れとなる盛況。同ショップでは通常、トラック輸送のだだちゃ豆は収穫翌日に販売されている。県の担当者は「だだちゃ豆は鮮度が命。購入された方たちは、そうしたことをよく知っていたようで、朝採りの新鮮さを評価したのではないか」と話した。

 JR東日本グループの「はこビュン」は、トラック輸送のいわゆる「2024年問題」を視野に入れ、鉄道輸送の可能性と利用拡大を図る取り組み。JR関係者は鶴岡駅での積み込みの際、「朝採りの新鮮な旬のだだちゃ豆を通じて、鶴岡の魅力も感じてもらえるのではないか」と話した。

 県庄内総合支庁連携支援室の小松弘幸室長は「首都圏の山形ファンにだだちゃ豆を味わってもらい、次はより新鮮な味を求めて本場に足を運んでほしい」と話していた。

発泡スチロールに詰められただだちゃ豆=鶴岡駅
発泡スチロールに詰められただだちゃ豆=鶴岡駅

人気を集めた「朝採りだだちゃ豆」の販売=東京・銀座、県アンテナショップ(県提供)
人気を集めた「朝採りだだちゃ豆」の販売=東京・銀座、県アンテナショップ(県提供)


2023年(令和5年) 8月27日(日)付紙面より

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大山下池の「ハス御膳」 沖海月 9月から マダイ料理との新メニュー

 鶴岡市立加茂水族館・魚匠ダイニング沖海月は9月1日から「ハス御膳」(税込み1500円)を提供する。鶴岡市大山の下池で採れた天然のハスを使用。デザートには、ハスの花をシロップに漬けて冷やした「冷菓」を添えた。

 下池では大山地区の住民で組織する「本町浮草組合」(田中富雄組合長、組合員30人)が、例年8月10日前後にハスの花と葉を採って生花店に出荷。仏壇や墓に供える供養花として売られている。9月中旬にはハスのレンコンを収穫。組合員によると「薄く切ってきんぴらにすると最高」という。

 地元食材の掘り起こしを進めている沖海月の須田剛史料理長(47)が下池のハスに着目。開花時期に合わせて、あまり食べられていないハスの花や実を使った料理を考案した。

 御膳の内容は、さっぱりとした中にも味わいがあるマダイのお茶漬けがメイン。塩ゆでしたハスの実とトマトやキュウリの小鉢などを添えて夏らしさを演出した。

 デザートは鮮やかなピンク色のハスの花を煮た後、2日間シロップに漬け込んで冷やした逸品。提供する前に御膳を会食した浮草組合の組合員は「ハスの花を食べたのは初めて。結構、肉厚感がある。立派なスイーツだ」と感想を話した。

 田中組合長(72)は「須田料理長の手にかかるとハスの魅力と可能性が広がる。日本料理や小料理店でハスを食材に使ってもらえればうれしい」と笑顔を見せた。

 須田料理長は「ハスは疲労回復の薬膳としても有名。夏の疲れた胃腸を整える料理としても楽しんでもらえれば」と話した。

 「ハス御膳」の提供は9月末まで。問い合わせは沖海月=電0235(64)8356=へ。

9月から提供する「ハス御膳」
9月から提供する「ハス御膳」

試食会でハスのデザートを取り分ける須田料理長
試食会でハスのデザートを取り分ける須田料理長


2023年(令和5年) 8月27日(日)付紙面より

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戦争の悲惨さ 平和の尊さ 思い込め 酒田 「共創カフェ」公益大生や市民へ語る 三浦さん(鶴岡)広島での被爆体験

 戦争と平和について考える講話「原爆投下から78年 戦争と平和について考える」が25日、酒田市公益研修センターで行われ、旧制中学時代に広島市で被爆した洋画家・三浦恒祺さん(93)=鶴岡市新海町=が参加者に向け、自身の体験と平和への思いを語った。

 戦争の悲惨さと平和の尊さについて考える機会をつくろうと、酒田市の東北公益文科大学4年の大沼蘭さん(21)が企画、「共創カフェ」の一環で公益大地域共創センターが主催した。

 三浦さんは東京都出身で、15歳の時に広島で被爆。戦後両親の古里である鶴岡に移住し、自身の経験を基に抽象画の連作「原爆の形象」や「庄内の憧憬(しょうけい)」をテーマにした風景画などを発表している。「おりづるタワー」(広島市中区)の9層から成るらせん状スロープ「スパイラルスロープ『散歩道』」1層目のデザイン「光に向かって這っていけ」を担当。鶴岡市の致道博物館で現在、75年に及ぶ画家人生の集大成となる個展を開催している。

 この日は学生や市民約20人が参加。初めに立案者の大沼さんが「戦争という物事を他人事にしたくないという思いから立案した。テレビや本から聞くものとは違う、現実味を帯びた体験談を聞いて、後世につなげてほしい」とあいさつ。三浦さんは「勤労奉仕のため爆心地から約4キロ離れた場所で荷物を運ぶ作業をしていた時、原爆が落ちてきた。強い光と地響きを感じた直後、何が起こったか理解できないうちに強い突風に襲われた。きのこ雲が空の雲を押しのけて上がっていく姿はとても恐ろしかった。作業を終えて市街地に戻ると、爆心地から半径約2キロが何もなくなっていた」と「あの日」を振り返った。

 「学校へ戻る途中、焼けただれた体で『水をください』と話しかけてきた人たちのことが今も頭から離れない。何も持っておらず、何もできなかったことをずっと後悔している」と涙をこらえて語る場面もあり、「世界には今約1万3000発もの原爆があるといわれている。原爆は決して人間が持っていいものではない、一日でも早く核のない平和な世界が訪れることを祈っている」と平和についての願いを述べた。

 講話後、大沼さんは「致道博物館で三浦さんの作品を見て感銘を受けた。想像できないほどの熱さの中、亡くなった人たちが大勢いたという現実に、改めて戦争を許せないと感じた。今日聞いた話を、戦争のない未来のためにつなげていきたい」と感想を話した。

 三浦さんの個展は9月18日(月)まで開催している。

自身の被爆体験を語る三浦さん(中央)
自身の被爆体験を語る三浦さん(中央)



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