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2023年(令和5年) 9月6日(水)付紙面より

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底引き網漁解禁と未利用魚活用

 「未利用魚」。もちろんそのような名前の魚はいない。せっかく水揚げされながら、見た目が良くないとか、水揚げ量が少ないことで敬遠され、あまり食卓に上がらない魚のことだ。そんな魚をもっと食べようという「未利用魚・低利用魚」の活用を学ぶセミナーが鶴岡市で開かれた。講師の話は「全国的に漁獲量が落ち込む中、未利用魚の価値は今後ますます高まってくるだろう」。

 庄内浜の底引き網漁が解禁され、漁港は活気づいている。安定した魚の水揚げを持続させるため、産卵期の7、8月は禁漁期間としている。旬の魚はおいしい。しかし魚離れや、おいしいのに見栄えで敬遠される魚もあることは、残念なことだ。

◇      ◇

 鶴岡食文化創造都市推進協議会が招いたのは、福岡市で未利用魚・低利用魚の加工販売を手掛ける会社を営む井口剛志さん。講演のテーマは「『もったいない』を『おいしい』に。~未利用魚を全国へ~」。井口さんは「いま獲れる魚で何とかしていかなければならない。未利用魚の一種『アイゴ』をハムに加工して注目されている会社もある」と、なじみの薄い魚でも加工すれば立派に商品になることを強調した。

 農水省の2022年の漁業・養殖業生産統計によれば、養殖を含む漁獲量は385万8600トン、前年比31万3600トン減で2年連続の減少。漁獲量減少の背景には乱獲も指摘される。一方、井口さんは海水温の上昇、黒潮の蛇行という海の環境の変化や漁業従事者の高齢化が全国的に進み、沿岸漁業の水揚げにも響いているのではないだろうかと語っている。

 底引き網漁解禁で、由良漁港ではマダイ、ヒラメ、ノドグロ、ヤナギガレイ、カワハギ、アマダイなどのほか、高級魚のアラなど、いわゆる知名度があり市場価値も高い魚が船から荷降ろしされた。クチボソガレイは少なかったが、水温が下がる今後の漁に期待がかかるというのは、今夏の暑さが影響しているのかもしれない。

◇      ◇

 さて、井口さんが語る「もったいない」を「おいしい」にである。庄内浜の水揚げの約4割はスルメイカで占められる。水揚げされる魚種は130種と多いが、市場価値がないため、あまり食卓に上がらない「未利用魚」などと呼ばれる魚もある。深海魚のノロゲンゲなどがその一例だ。

 庄内では庄内浜文化伝道師の指導でノロゲンゲの試食会が開かれたこともある。「野呂玄華」と、どこか“高貴”さが漂う名前であり、コラーゲン豊富で健康に良い栄養価を持っている。魚離れが進んでいるといわれる。生臭い、調理が面倒などと、電子レンジで温めるだけのパック詰めされた魚も数多い。しかし、知名度不足でも手間ひまかけて調理した魚こそ、本来の味が引き出されるのでないか。食べず嫌いから抜け出したいものだ。

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2023年(令和5年) 9月6日(水)付紙面より

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全国巡回「モルドバ ギャラリー」 鶴岡・荘銀本店 エントランスホール パネルで魅力紹介 交流の輪広がる

 鶴岡と縁のある東欧モルドバの魅力を紹介する展覧会が5日から、鶴岡市の荘内銀行本店エントランスホールで開かれている。

 モルドバはウクライナとルーマニアに国境を接し、人口は約260万人。自然豊かで野菜や穀物、果樹などの農業が盛ん。東京オリンピック・パラリンピック開催の折、鶴岡市がホストタウンとなったことでスポーツ・文化交流などが続いている。

 展示会を主催する日本モルドバ友好協会(沓澤正明理事長、本部・神戸市)は、1991年に旧ソ連から独立した翌年に戦争が勃発したモルドバの復興支援活動を94年から行ったことがきっかけで発足。伝承音楽や舞踊などの復興や日本への紹介などを行っている。今回の展示は「モルドバGalleryと講演の全国フェスタ」と題して、昨年末から全国を巡回しているもので、沓澤理事長(74)の妻で団体創設者の美喜さん(73)が鶴岡市出身であることから、4年ぶりに鶴岡での開催となった。

 ホールには、民族衣装を着て踊る女性や教会での礼拝風景、柔道の練習などの写真のほか、モルドバの歴史パネル、モルドバの版画家の作品などを展示。また、生涯をモルドバ支援にささげ、6年前に34歳で亡くなった長男・安一さんの水墨画も飾られた。

 展示は7日(木)までの午前9時から午後7時まで。午前10時半から午後4時半までは沓澤夫妻が在席し、説明などを行う。

 また、9日(土)午後3時から4時半まで、鶴岡アートフォーラムで、沓澤理事長が「歴史から見たモルドバの文化的地位」と題して講演する。参加は無料で、先着40人まで。

来場者にモルドバの写真やパネルを解説する沓澤理事長
来場者にモルドバの写真やパネルを解説する沓澤理事長


2023年(令和5年) 9月6日(水)付紙面より

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糖度の高いブドウそろう 郵便局のネットワークで全国へ 産直あぐり ゆうパック出発式

 今年は糖度の高いブドウに仕上がりました―。庄内全89郵便局が取り扱う大粒ブドウのゆうパック出発式が4日、鶴岡市西荒屋の産直あぐりで行われた。

 式では山西地区(庄内)統括局長で羽前本郷郵便局の難波忠夫局長(64)が「大粒ブドウのゆうパック販売を始めて今年がちょうど20年目。メロンやだだちゃ豆、庄内柿とともに主力商品に育った。今年も郵便局のネットワークで全国に届けたい」、鶴岡郵便局の藤井泰局長(57)が「品質の高いブドウの収穫が始まった。待ちわびている全国のお客さまに真心を持ってお届けし喜んでもらいたい」とそれぞれあいさつ。関係者がそろってテープカットした。

 大粒ブドウのゆうパックは、櫛引地域の生産者が丹精込めて育てたシャインマスカットやピオーネ、ゴルビーなどを2キロの箱詰めにして届けている。産直あぐりの鈴木光秀代表取締役(61)は「生産農家にとっては日照り続きで大変だったが、糖度は20度以上と高い。フルーツの里で育ったブドウを楽しんでほしい」と話した。

 今年も例年通り今月下旬まで約500箱の発送を予定する。すでに全国各地から多くの注文が舞い込んでいるという。

テープカットで今シーズンの発送を祝う郵便局関係者
テープカットで今シーズンの発送を祝う郵便局関係者



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