2019年(令和1年) 12月5日(木)付紙面より
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県立酒田東高校(五十嵐文彦校長)の生徒有志5人が、7日(土)開幕の日本化学会関東支部新潟地域懇談会主催「新潟県化学インターハイ」に出場する。高校生・高専学生が化学の実力を競い合う大会で、新潟県以外からの出場は初めてのケース。大会を前に3日午後、共催する新潟大学理学部の則末和宏准教授(化学)が同校を訪問。出場生徒たちに化学物質、実験器具の扱い方を中心に指導するとともに、激励した。
化学への興味・関心を喚起し意欲・能力を高める機会を提供するとともに、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合うことで、さらに深く学ぼうとする強い動機付けを育んでもらおうと、20歳未満の高校生や高専学生を対象に毎年開催している大会。今年で9回目。主として3人でチームを編成し、筆記試験、基本・中級・上級の実験3種で化学の力を競う。
「理系の生徒に活躍の場を与えたい」という思いから、同校で化学を教えている本間寛行教諭が昨年の大会を視察。県外生徒の出場も可能と分かり、本年度に入って希望者を募集した。科学部員を中心に3年1人、1、2年各2人の計5人から申し出があり今回、2、3人ずつ2チームに分かれて大会に挑む。
この日は出場生徒のうち4人が参加。則末准教授は、大会で出題される実験のうち、試料にどんな重金属が含まれているか実験を通して解析する「無機イオンの定性分析」、酸や塩基の濃度や量を求める「混合物の中和滴定」について実験方法を示しながら、分かりやすく解説。普段は使わない実験器具もあり、生徒たちは悪戦苦闘しながらも熱心に学んでいた。
出場生徒の1人で科学部長を務めている2年、冨樫卓見さん(16)は「本間先生から声を掛けられて出場を決めた。手早く正確に実験を行いたい」と。則末准教授は「机上の勉強と実際に手を動かして行う実験は違うということを感じてもらえたら」と話した。主催者によると、大会は初日に筆記、8日(日)に実験。表彰式と閉会式は15日(日)に行うという。会場はいずれも新潟市の新潟大学内。
一方、「県外から初めての出場」ということでこの日、新潟総合テレビ(NST)のカメラクルーが同校を訪れ、生徒の奮闘ぶりを取材。これを含め大会の模様は来年1月13日(月・祝)にNSTで放送するという。