2019年(平成31年) 1月15日(火)付紙面より
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庄内町千河原の八幡神社(伊藤豊宮司)で13日、小正月の風物詩「やや祭り」が行われた。わらの腰みのとさらしを身に着けた少年たちが冷水を浴びて健康を願った。
やや祭りは、安産の神様を祭る同神社の歳越祭の異称。弥生時代に在位した第15代応神天皇の皇子・大山守命(おおやまもりのみこと)が跡継ぎ争いで悪臣に追われ、千河原の妊婦にかくまってもらった際に「私はたとえ死んでも神となりお前たちの身を守る。難産の時は私の名を唱えよ」と言い残した伝説が起源とされる。祭りの名前の由来は、若者が手にしたわらで互いにたたき合った風習の掛け声が「ヤー、ヤー」だっという説や、子どもを示す京都なまりの「やや」が元など諸説ある。
今年は祭りの主役として小学1―6年生までの男児8人と社名旗持ちとして千河原地区の渡會達也さん(18)=酒田南高3年=が参加。時折晴れ間も見える穏やかな天候となったこの日は、祭りが始まる午後1時を前に、写真愛好家や見物客、家族などが大勢詰め掛けた。「けんだい」と呼ばれる腰みの、さらしを身に着け、両手に蝋燭(ろうそく)を持った上半身裸の男の子たちが特設舞台に上がると、白装束の大人がおけで冷水を勢いよく浴びせた。身を切るような寒さに、子どもたちは頬を真っ赤にして歯を食いしばって耐え、中には「もう一回!」と2度浴びる子も。詰め掛けた見物客からは大きな拍手が送られた。
余目三小6年の金子清太朗君(12)は「最初は冷たかったけど、2回目は温かく感じた。今年は中学生になるので健康で勉強もスポーツも頑張りたい」と話していた。