2009年(平成21年) 6月17日(水)付紙面より
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庄内の夏の食卓に欠かせない味として親しまれている「なんぜんじ」作りが、各豆腐店で盛んに行われている。
庄内のなんぜんじ豆腐は半球状の形をしているのが特徴で、一説によると、酒田市の南禅寺屋が元祖。南禅寺屋の祖先がお伊勢参りの途中で病気になり、路銀を使い果たしたため、京都の南禅寺に住み込みで働いた。そこで丸く柔らかい豆腐に出合い、作り方を学んだ後に庄内で「南禅寺豆腐」として売り始めたと言われる。
鶴岡市宝町の創業140年の老舗・松浦豆腐店(佐藤豊和店主)では、先月20日ごろからなんぜんじを作り始めた。7、8月ごろに最盛期を迎え、9月中旬ごろまで製造が続くという。
佐藤さんの妻・利栄さんは「丸い形を保ち、柔らかくてのどごしの良いものにこだわっているため、一つ一つ手作りしている。暑くになるにつれて忙しくなる」と話しながら、冷水に浸したなんぜんじを手で丁寧にすくい上げ、袋詰めしていた。
庄内の夏の味覚・なんぜんじ作りが盛んに行われている=16日、鶴岡市の松浦豆腐店