2009年(平成21年) 7月5日(日)付紙面より
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海岸沿いに森林を造成することで漁場環境の改善を図ろうと、鶴岡市油戸地区に設置されている「魚の森」で4日、地元の住民や漁業者らのボランティアによる下草刈り作業が行われた。
魚の森は、油戸漁港南側の丘陵地約1・6ヘクタールに設定され、県の「魚の森づくりモデル事業」の指定を受け1997年度から3年かけて造成された。海岸に流れ込む沢沿いの斜面にこれまで、クロマツ、カシワ、ケヤキ、イタヤカエデなど計約2700本の樹木が植栽されている。
この日のボランティア作業には、地元住民や漁業者団体、加茂水産高の生徒、一般参加の親子連れなど約100人が参加。酒田市飛島からも県漁協女性部メンバーが訪れた。
ロープを張って17枚の大漁旗を飾った魚の森で、参加者全員が草刈りがまを手に斜面を登り、植栽された樹木の周囲に生い茂った雑草を丁寧に刈り取り。眼下に広がる海を見ながら、作業に汗を流した。
地元住民が中心となって2003年度には、植栽や下草刈りなどの活動を行う「魚の森づくりの会」も結成された。同会の佐藤邦郎会長は「海からの季節風が強く、思うように木が育たなかったが、防風柵を設置してからドングリが見られるようになってきた。植えた木をどのように育てていくか考えながら、大切に守っていきたい」と話していた。
油戸海岸を望む丘陵地で、魚の森の下草刈りを行う参加者たち