2009年(平成21年) 7月17日(金)付紙面より
ツイート
鶴岡市の出羽三山神社の例大祭「花祭り」が15日、羽黒山頂で行われた。今年は12年に一度の「丑(うし)歳御縁年」に当たり県内外から大勢の祭り客が参拝。御利益があるとされる花梵天の「稲の花」を奪い合い、熱気あふれる祭りを楽しんだ=写真。
花祭りは、松例祭(12月31日―1月1日)、八朔祭(8月31日―9月1日)と並ぶ同神社三大祭りの1つ。イネが花を結ぶ時期に豊作を願うもので、稲穂をあしらった花梵天の花を家に飾ると、五穀豊(ほう)穣(じょう)や家内安全に御利益があるとされる。羽黒山のおひざ元の手向地区では、家々の玄関先にも飾られる。
この日は朝から蒸し暑い天気となる中、大勢の祭り客や観光客が山頂の鏡池の周囲に集まった。正午すぎ、神輿とともに、高さ6メートルほどある赤、白、黄の3本の花梵天が祭り客の前に登場し、手向地区の若衆が支えながら鏡池の周囲を練り歩いた。
花梵天が祭り客たちの頭上に傾くたびに、われ先にと手を伸ばして花を奪い合い、2周する間に色鮮やかな花梵天はあっという丸裸になった。
稲の花を手にした千葉県船橋市から夫婦で訪れた男性(66)は「毎年この時期に月山登山で来ているが、今年は御縁年ということで初めて花祭りに参加した。花を取ろうとしたら背中を押されたりと荒っぽかったが楽しかった。御利益がありそう」と話していた。