2017年(平成29年) 3月8日(水)付紙面より
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東北公益文科大(吉村昇学長)の女子学生たちが、菓子製造「廣盛堂」(鶴岡市千石町、多田昭子社長)、庄内観光物産館ふるさと本舗(同市布目、五十嵐紳代表執行役員)と共に昨年4月から取り組んできたオリジナルの焼き生菓子「雪かくれ」が完成。今月18日(土)から3日間、同物産館で販売する。ポン菓子をまぶした生クリームを同社の定番商品となっているカステラせんべいで挟んだ新商品で、学生リーダーの菅原菜穂さん(20)=2年=は「ターゲットは若い女性と高齢者。売り子も務めるので頑張って売りたい」と話している。
教員と学生、住民が連携して課題研究を行う「プロジェクト型応用演習」の一つ「学生酒田地域づくり女流塾」として取り組んできたもの。
担当教員の中原浩子助教兼特任講師が昨年4月中旬、同物産館取引先懇親会で講演した際、同物産館企画課の井上大輔さん、廣盛堂製造担当の白幡利枝さんから「若い女性の視点で商品開発にアイデアを頂きたい。学生の協力を」と持ち掛けられた。同6月8日の「―女流塾」の授業では多田社長と井上さんが講義を行い、求めている商品などを解説した。
授業自体は同7月末で終了したが、「継続して取り組みたい」と菅原さんはじめ学生13人が翌8月にサークル「学生酒田地域づくり女流塾」を設立。これまで井上さん、白幡さん、中原助教らと共に検討や試食を重ねてきたほか、同社工場を見学するなど商品への理解を深めてきた。
学生たちが目を付けたのは、定番商品のカステラせんべい「庄内米」。これを2枚重ね、その間に何かを挟む商品の開発を思い立ち、いちごジャムやチョコレート、抹茶クリーム、チーズクリームなどを試した。結果、生クリームを使用し、食感を出すため中にポン菓子をまぶすことに。さらに高齢者でも食べやすいよう、生地は「庄内米」より軟らかめにした。ネーミングは「雪のように白い生クリームが隠れていることから名付けた」(菅原さん)という。
パッケージのデザインは、公益大の学生で組織する観光ボランティア団体「酒田おもてなし隊」スイーツ班の佐藤七海さん(21)=3年=が担当。大地と稲穂、水、太陽をモチーフにした色合いで、イメージキャラクターとして「米」を擬人化した女の子「庄内米のマイちゃん」を創作し描いた。
菅原さんは「自分たちが商品を作る立場になるとは思わなかった。うれしい半面、驚いている。売れないと廣盛堂、物産館に迷惑が掛かる。とにかく手に取ってもらえるものを作ろうと思った」と。井上さんは「生クリームを使用しているため、通年販売するためには賞味期限の問題をクリアしなければいけない。まずは3日間、販売してから」と話した。
「雪かくれ」は18日から3日間、同物産館で行われる「春の大感謝祭」に合わせて販売。袋入り(3枚入り)540円、箱入り(8枚入り)1080円(いずれも税込み)。袋入りが限定300個、箱入りは同100個。販売期間中は連日、菅原さんをはじめ学生たちが売り場に立つという。
2017年(平成29年) 3月8日(水)付紙面より
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鶴岡市矢馳の市農村センターで5日、「ダダチャ豆ユートピアin大泉パート5?未来への贈り物?」が開かれ、市内の女性たちが鶴岡産シルクのストールをだだちゃ染めできれいに染め上げた。
同市大泉地区の婦人会有志がだだちゃ豆の古里をPRしようと1996年に立ち上げた「大泉だだちゃ豆を愛する会」(佐藤トシ代表)が主催し、不定期で開催している。特産物のだだちゃ豆から食べ物以外の特産物を作ろうとだたちゃ染めを開発し、地域の子どもたちなどに指導している。
今回は、会の設立20年に合わせて開催。だだちゃ染め体験と鶴岡市食育・地産地消推進協議会の東山昭子会長の講演が行われた。
だだちゃ染め体験には市内から女性20人が参加。参加者たちは「模様を思い浮かべながらきつく縛って」と指導を受けながら布を輪ゴムやビニールひもで縛り準備を整えた。黄色に仕上がる「チタン液」とだだちゃ豆らしい黄緑色に仕上がる「銅液」の2色の媒染液が用意され、参加者たちはだだちゃ豆の枯れ枝を煮込んで抽出した染料や媒染液に漬けては洗いを繰り返し、思い思いのデザインでストールを染め上げた。
鶴岡市小淀川の松浦節さん(63)は「自分で染めることができて感動。身近な素材で染められることが分かって驚いた」と話していた。
午後からは東山会長が「シルクにかける夢」の演題で講演した。