2018年(平成30年) 1月11日(木)付紙面より
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今年4月の地域医療連携推進法人設立を目指す「日本海ヘルスケアネット設立協議会」(会長・栗谷義樹山形県・酒田市病院機構理事長)の第6回会合が9日夜、酒田市の日本海総合病院で開かれ、参加する酒田地区の医療・福祉の9法人代表が、設立の理念や運営方針などを定めた合意書に調印した。同法人が設立されるのは全国で5番目となる見通しで、医師会、歯科医師会、薬剤師会の「3師会」がそろうのも、精神科の専門病院が入るのも全国初で、国が進める「地域包括ケアシステム」構築のモデル的な取り組みを目指す。
地域医療連携推進法人は、地域の医療法人などが独立した運営を維持しながら連携を強め、機能分担や業務の連携で効率的で質の高い医療の提供を目指す。人口減少や医療人材確保の困難さが深刻化する状況を踏まえ、2015年9月の医療法改正に基づき、昨年4月に制度がスタートした。
庄内では、日本海総合病院を運営する県・酒田市病院機構と、本間病院を運営する医療法人「健友会」、上田診療所を運営する同「宏友会」、介護事業の社会福祉法人「光風会」、酒田地区医師会十全堂の5法人が16年4月から準備を始め、同9月には推進母体として日本海ヘルスケアネット設立協議会を設立。昨年10月にはさらに、酒田地区歯科医師会、同薬剤師会、精神科の山容病院を運営する医療法人「山容会」、介護事業の社会福祉法人「かたばみ会」の4法人が加わった。
合意書では、来月に9法人で一般社団法人日本海ヘルスケアネットを設立。その後、同法人が県知事の認定を受ける形で4月、地域医療連携推進法人日本海ヘルスケアネットに移行する。
設立の理念では「県が進める地域医療構想の実現を図り、地域包括ケアシステムのモデルを構築し、医療・介護・福祉などの切れ目のないサービスを、将来にわたって安定的に提供することを目指す」とした。医療連携推進区域は、国が新法人設立区域を原則として、都道府県が地域医療構想で定める二次医療圏としていることから、庄内全域の5市町とした。
この日は栗谷会長が冒頭のあいさつで、「未来の世代に有意義なものを残すため、一緒に歩み出そう」と呼び掛け、各代表者が合意書に調印した。
栗谷会長は報道陣の質問に応え、合意にこぎ着けた背景として「北庄内は(2008年の市立酒田病院と県立日本海病院の)再編統合時に医師会、病院、行政が団結し、その後の信頼関係構築が底辺にあった」とした。9法人が連携する意義は「地域包括ケアシステムを構築し、地域で医療、介護などの各サービス提供を続けられる足腰を整備するスタートラインに立った」とし、3師会や精神科病院の参加についても「地域包括ケアシステムを回すときに必要な役者」と同システム構築を大きな目標に見据えていることを強調した。南庄内への波及については「鶴岡地区と共同事業を行うことはまだ俎上(そじょう)に上っていないが、次の世代は(過疎化で)間違いなくそういう時期が来る」とした。協議会には既に、鶴岡協立病院がオブザーバー参加している。
新法人の設立によって、▽人事交流・派遣体制の整備、職員の共同研修▽電子カルテなどの共有▽地域包括ケアシステムの構築▽薬品・診療材料・委託業務などの共同交渉▽高額医療機器(CT、MRIなど)の共同利用▽病床調整―などの連携事業が可能になる。
2018年(平成30年) 1月11日(木)付紙面より
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庄内へのインバウンド拡大、観光ツアー商品造成に向け、韓国の旅行会社の関係者を招いた招聘(しょうへい)ツアーが、6―9日の3泊4日の日程で、庄内地方を中心に行われた。四国八十八カ所巡礼が盛んな韓国で新たな巡礼コースの需要が高まっていることを背景に、今年5月から始まる庄内三十三観音霊場御開帳の魅力などをアピールした。
県の受託事業として庄交コーポレーションが企画。今年5月1日から10月31日まで行われる庄内三十三観音霊場の御開帳に合わせ「庄内三十三観音札所巡りと環月山・冬の魅力」をテーマに、雪や月山縦走、月山夏スキーといった西川町側と連携した環月山の魅力を盛り込み、韓国の旅行会社4社、佛教放送社から計5人を招聘し、観音札所などを案内した。
一行は6日に仙台空港に到着。西川町の玉貴で食事と雛(ひな)鑑賞、弓張平でスノーシュートレッキングを体験、雪の感触を楽しんだ。その後、鶴岡市に移動し宿泊は湯田川温泉。
2日目は、同市湯田川の長福寺(26番札所)を皮切りに井岡寺(27番札所)、羽黒地域の金剛樹院(2番札所)など観音札所を参拝。住職に寺院の特色を質問したり、仏具の説明に興味深げに聞き入ったりした。また、雪深い羽黒山の五重塔まで歩くなど、日本の仏教文化や冬の自然を堪能した。
3日目は、酒田市方面に向かい、総光寺(12番札所)、延命寺(18番札所)などを参拝。夕方から東京第一ホテル鶴岡を会場に意見交換会を行った。韓国の旅行会社からは「歩いて巡礼するなどし、もっと自然を感じたい。ご住職と話をすることで心を癒やすことができたら」と話した。また、「出羽三山の生まれかわりの信仰に興味を持った。宿泊や修行体験もツアーのプログラムに取り入れたい」との意見も出た。
最終日の9日は鶴岡市朝日地域の寺を参拝した後、夕刻に仙台空港から帰途に就いた。