2018年(平成30年) 3月25日(日)付紙面より
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第12回全国都市改善改革実践事例発表会が23日、酒田市の希望ホールで開かれ、北は岩手県から南は宮崎県まで全国32自治体の職員たちが、コスト削減やサービス向上など業務改善に取り組んだ成果を、寸劇などを交えユニークに発表した。
関西学院大大学院の石原俊彦教授らの呼び掛けで2007年、山形市で第1回を開き、以来毎年全国各地で開催。酒田市では14年度から庁内の発表会を経て全国の発表会に参加している縁で今回、若手職員で実行委員会(阿部吉成実行委員長)をつくり、誘致した。同市を含め32自治体の職員約120人と、県内の自治体や一般、合わせて約400人が参加。1自治体ずつ改善事例を発表し、石原教授や元資生堂執行役員常務の関根近子さん、東北エプソンの内堀眞司社長ら審査員7人が講評した。
このうち、三重県は24年間使った防災ヘリコプターの売却に当たり、当初の鑑定評価6500万円に対し、ニーズ調査でターゲットを絞って動画を作り、丁寧な管理をアピールするなどで約1億9000万円で売却した事例を紹介。審査員から「機体の管理を含め愛情を込めた仕事ぶりが見えた」と評価された。また、福岡県北九州市は、道路の不具合による事故を防ぐため、関係部署の職員約160人が「道路ウォッチャー」となり、インターネットを通じて通報、補修につなげる取り組みを寸劇を交えて紹介。審査員からは「郵便局と協定を結んでいる例もある。ウォッチャーになる職員の範囲をもっと広げては」とアドバイスを受けた。
阿部実行委員長は「全国の優秀な改善事例を聞き、参加者の意識が高まっていると実感。向上心を高めて各地に持ち帰り、一層広げてもらえればうれしい」と話した。
実行委は、市内の飲食店などと提携し、参加者に配布したバッジの提示でドリンク1杯を無料提供するなどの優待企画や、改善の意識高揚に向け「気づきの種」として植物の種を配布するなど、独自の手作り企画で大会を盛り上げた。
2018年(平成30年) 3月25日(日)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、吉村昇学長)の2017年度卒業式・大学院修了式が24日、同市の公益大公益ホールで行われ、学部卒業生134人、大学院研究科修士課程修了生4人がそれぞれの道に船出した。
式典には、学校関係者のほか来賓や保護者らが出席。卒業生・修了生の名前が読み上げられた後、吉村学長が卒業生総代の大沼由依さん(22)=鶴岡市出身=に卒業証書、修了生総代の三浦拓さん(31)=同=に修了証書をそれぞれ手渡した。
優秀賞、理事長賞、学長賞、後援会長賞の表彰に続き、吉村学長が「本学で培ったリベラルアーツ力、コミュニケーション力を駆使し、社会で信頼・期待される存在になることを心掛けて。地域のリーダー、世界に羽ばたく人材として活躍することを期待する」と式辞を述べた。
新田嘉一理事長は「歓送の辞(ことば)」で、「家族が皆さんを支えてきたということを忘れないで。日々の講義、海外留学やトップセミナーなどで学んだことは、困難を突き破る時に大きな力になるはず。自信を持ってほしい」と語り、▽針になって突き進むこと▽競ったら絶対に勝つこと▽多くの本を読むこと―の3つの言葉をはなむけに贈った。
丸山至酒田市長ら来賓祝辞に続き、卒業生代表の佐藤光さん(22)=岩手県奥州市出身=が「充実した大学生活を送ることができたのは、多くの出会いと心強い支えがあったから。お世話になった人に恩返しできるよう、学びを生かして志を高く持った社会人になることを誓う」、修了生代表の矢作めぐみさん(61)=舟形町出身=が「この2年間は今後の人生を考える上で、掛け替えのない貴重な時間となった。修了生それぞれに次のステージが待っている。公益の実践者としての使命を自覚し、これからも研さんを重ねていきたい」と決意を述べた。