2018年(平成30年) 4月3日(火)付紙面より
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鶴岡市下川の龍澤山・善寳寺(五十嵐卓三住職)で、1日から「五百羅漢堂」特別拝観が始まった。公開するのは約160年前の創建以来で、安置している500体を超える羅漢像は、表情や姿が一体一体異なり、貴重な文化的遺産を間近で見ることができる。
江戸時代に隆盛を極めた五百羅漢信仰。同寺の五百羅漢堂は1855年(安政2年)に、北前船で財を成した商人たちの寄進により建立された。「清浄殿」とも呼ばれ、ご本尊などと共に、531体の羅漢像が安置されている。顔の表情や姿、けさや衣の模様と色使いが全て異なり、かつては亡くなった人に似た顔を500体の中から見つけて手を合わせたといわれている。
五百羅漢像の老朽化が進んでいることから、東北芸術工科大の協力で昨年から20年がかりの大修復作業に取り掛かっている。現在12体の修復を終えており、今月20日ごろから12体も拝観できる予定。
初日の1日は県内外から参拝者が訪れ、五百羅漢堂内で、僧侶やスタッフの解説に耳を傾けながら、壁面や梁(はり)までずらりと並ぶ羅漢像にじっくりと見入っていた。新潟市から仕事仲間3人と訪れた清水美貴さん(57)は「壮観で圧倒された。表情やけさの柄、色使いも細かく、先人たちの技術の高さがうかがえる」と話した。
特別拝観は6月30日(土)まで、時間は午前9時から午後3時、拝観料500円。本堂や龍王殿、慈照殿も合わせて拝観できる。龍王殿は午前10時、正午、午後2時の祈祷(きとう)後に限る。秋にも一般公開を予定している。問い合わせは善寳寺=電0235(33)3303=へ。
2018年(平成30年) 4月3日(火)付紙面より
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鶴岡市のあつみ温泉で1日、今シーズンの朝市の営業が始まった。売り子たちの「いらっしゃい」の掛け声が早朝の温泉街に響き、地元の特産品を求める観光客らでにぎわった。
あつみ温泉の朝市は、江戸時代中期に「あば」と呼ばれる海岸部の女性たちが新鮮な魚介類や農産物を露店販売したのが始まりとされ、1989年からは温泉街の中心部にあるあつみ観光協会管理の木造平屋建て長屋式店舗で行われている。今年は7店舗が出店し、11月30日までの期間中、毎日午前5時半―同8時半に営業。また11月までの毎月第4土曜の午前11時―午後4時は、同じ場所で「ひるいち」も開催される。
朝市の初日は、温海地域特産の赤カブ漬けをはじめ、地元産の米で造った地酒「摩耶山」、関川地区特産のしな織製品、干しぜんまい、とち餅、地元の海水で作った天然塩、板状の焼き麩(ふ)「庄内麩」など多彩な商品が並んだ。午前6時ごろから朝市広場に温泉宿泊客が訪れ、中には丹前姿でげたをカランコロンと鳴らしながら足を運ぶ家族連れや女性グループの姿もあり、温泉情緒があふれた。群馬県前橋市から夫婦で訪れた下田勝明さん(68)は「宿泊した旅館で、朝市が始まると聞き、昨晩から楽しみにしていた。きょうが誕生日で、お店の人からたくさんおまけしてもらい、プレゼントも頂き、思い出に残る旅行になった」と笑顔で話し、朝市の雰囲気を楽しんでいた。