2018年(平成30年) 6月8日(金)付紙面より
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不動産開発運営会社YAMAGATA DESIGN(ヤマガタデザイン、鶴岡市、山中大介社長)が、鶴岡市覚岸寺周辺のサイエンスパーク内に整備している宿泊滞在複合施設「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(ショウナイホテルスイデンテラス)」が8月1日(水)にプレオープンする。建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受けた世界的建築家・坂茂氏がデザインと設計を手掛けた。坂氏設計のホテルとしては世界初となる。
スイデンテラスは交流機能を備えた新しいタイプのホテル。水田が広がる庄内平野の自然と調和した景観を創出し、自然体で過ごすことができるよう配慮している。
建築物の延べ床面積約7500平方メートルの規模で、3棟ある宿泊棟は木造2階建てで木のぬくもりあふれる施設になる。客室は全143室で、ダブル85室、ツイン40室、メゾネット9室、スイート2室に加え、団体利用可能なグループルーム7室がある。各室にバス、トイレが付き、グループルームにはシャワールームが備えられる。地元の食材を使った「庄内しぜん定食」の朝食付きで、宿泊は1人1室9800円(税抜き)から。今月1日から公式サイトで予約受け付けを開始した。電話予約(平日午前10時―午後5時)は050(1745)9721。
交流機能の共用棟は鉄骨・鉄筋コンクリート造り2階建て。レストラン・バーでは、自社農場で収穫した無農薬野菜を取り入れた庄内の旬の食材を味わえる料理を提供し、夜は地酒をそろえたバーとする。土産品や地元のクラフト作家の作品などを販売するショップ、ブックディレクターとして著名な幅允孝さんと同社が選んだ1000冊規模のミニライブラリーもある。
源泉掛け流しの天然温泉とトレーニングマシンを備えるフィットネスの棟は、9月中旬のグランドオープン以降の利用開始となる。グランドオープン時には、坂氏のデザイン、設計で隣接地に整備を進めている全天候型児童施設「KIDS DOME SORAI(キッズドームソライ)」も同時開業の予定。
開発を手掛けるヤマガタデザインは「ビジネスや観光で庄内を訪れる人々をもてなす新たな拠点として交流人口の拡大につなげていきたい。庄内に住む方々が友人などゲストを招く際にも利用していただき、多様な交流が育まれる施設にしていきたい」と話している。
2018年(平成30年) 6月8日(金)付紙面より
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庄内町の道の駅「しょうない」が、東北「道の駅」連絡会主催の事例発表会で最高賞の大賞を受賞した。買い物に行きにくい高齢者への商品の宅配や、農産物の出荷支援、観光ボランティア活動などが評価された。本県は事例発表会が始まった2014年度から毎年大賞を受賞しており、今年で5回連続。発表者の原田眞樹町長は「高齢者の生きがいをつくる取り組みが好評を得た。連続記録をストップさせずに済んでよかった」と笑った。
発表会は5月28日に仙台市で開かれ、東北6県の道の駅161カ所から各県を代表して先進的な取り組みを行う道の駅1カ所を選び、所在自治体の首長らが発表した。
「しょうない」は16年10月、既存の産直施設を改修して開業。産直施設やレストラン、イベント広場を備えている。17年4―9月の売上額(月平均)が道の駅化する前の前年同期と比べて4・2倍に伸び、来客数も約5倍に成長した。
高齢者支援の取り組みでは買い物が困難になった高齢者へ商品の配達を行うほか、自家消費用に栽培された野菜や山菜などの出荷支援を行っており、一人暮らし高齢者の見守りも兼ねる。今年1月の訪問回数は開業翌月の1・6倍に拡大した。
原田町長は「東日本大震災を機に防災拠点としても必要と感じて整備した。高齢者支援、観光案内、産直拡大など町の課題解決を図ってきたことが評価された」と語った。相馬孝明駅長は「観光客はもちろん、地域の人の憩いの場として広く活用してもらいたい」と話していた。