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2018年(平成30年) 12月1日(土)付紙面より

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遊佐・アマハゲなど「来訪神」 ユネスコ文化遺産登録決定

 政府が昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録を再提案した、遊佐町吹浦の「浦通り」と呼ばれる3集落に伝わるアマハゲを含む「遊佐の小正月行事」など8県10行事で構成する「来訪神:仮面・仮装の神々」について、モーリシャス共和国で開催中のユネスコ政府間委員会は29日、登録を決定した。政府間委員会最終日の12月1日(土)に代表一覧(遺産リスト)に記載され、正式に無形文化遺産となる。

 「来訪神:仮面・仮装の神々」は、仮面・仮装で異形の姿をした者が正月などに家々を訪れ、新年を迎えるに当たって怠け者を戒めたり、人々に幸や福をもたらしたりする伝統行事。リスト記載に向けて政府が2016年3月、既にユネスコ無形文化遺産に登録されていた「甑島(こしきじま)のトシドン」(鹿児島県薩摩川内市)を拡張する形でユネスコ事務局に提出。各国から審査件数の上限を上回る提案があったため、無形文化遺産登録のない国の審査を優先するという国際ルールに基づいて審査は先送りされ、政府は昨年3月に再提案していた。

 文化庁によると、政府間委員会による29日の決議では「行事を執り行うことによって、地域の人々、とりわけ子どもたちはアイデンティティーを造成し、コミュニティーへの帰属を発展させ、相互の絆を強めている。来訪神行事は人類の創造性も証明している」との高評価を受けたという。

 ユネスコ無形文化遺産は、文化遺産の保護などを目的として03年に条約が採択された。日本ではこれまで能楽(08年)や歌舞伎(同)、那智の田楽(和歌山県、11年)、和食(13年)、新庄市の「新庄まつり」を含む山・鉾・屋台行事(16年)など21件が登録されている。今回の「来訪神行事」は「トシドン」の拡張のため総数は変わらない。

 アマハゲを含む「遊佐の小正月行事」など「来訪神行事」のユネスコ無形文化遺産登録に、遊佐町は29日夜、お祝いムードに包まれた。

 町庁舎に隣接する町防災センターでユネスコ政府間委員会のインターネット中継を見守った那須栄一教育長によると、歓喜の瞬間は午後4時40分ごろ(日本時間)。「日本の前のジャマイカ(レゲエ音楽)の審査が長引いた。決定した、いよいよ日本の番だと思ったら、今度は音楽に合わせて踊りが始まった。現地時間でお昼前だったので、休みに入るかなと思った。待ちくたびれた」(那須教育長)と笑う。日本の審査自体は5分ほどで終了し全会一致で登録決定。文化庁の担当者が握手する様子が映し出されると、同センターに拍手が響いたという。

 同日午後6時前、庁舎屋上から「祝 ユネスコ無形文化遺産登録決定!遊佐の小正月行事『アマハゲ』」と書かれた垂れ幕を掲示。引き続き「遊佐のアマハゲ保存会」会長を務める時田博機町長、那須教育長、アマハゲを継承する滝ノ浦、女鹿、鳥崎3集落の区長が会見に臨んだ。

 くす玉割り、万歳三唱の後、時田町長は「3集落に伝承されてきた民俗行事が、世界を代表する文化遺産として認められたことは、町としてこの上ない喜び。保存・伝承してきた皆さんに感謝し敬意を表す」と述べ、「引き続き地域の皆さんに寄り添いながら、町として支援していきたい」と話した。

 アマハゲ保存会副会長を務める女鹿集落・高橋孝行区長は「集落では少子化が急激に進む。アマハゲのなり手を確保しながら、これまで通り継承したい」、保存会監事の滝ノ浦集落・高橋栄一区長は「これから大変だと思う。しかし、継承していかなければならない」と気を引き締める。保存会理事の鳥崎集落・池田文雄区長は「これまで一回も休んだことのない行事。できる限り続けていきたい」と誓った。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「アマハゲ」=今年1月3日、女鹿集落(上)ユネスコ無形文化遺産登録が決定。くす玉を割って万歳三唱する時田町長(前列左から4人目)ら関係者=29日夜
ユネスコ無形文化遺産に登録された「アマハゲ」=今年1月3日、女鹿集落(上)ユネスコ無形文化遺産登録が決定。くす玉を割って万歳三唱する時田町長(前列左から4人目)ら関係者=29日夜


2018年(平成30年) 12月1日(土)付紙面より

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巨大壁画が完成

 庄内総合高校(高橋たづ子校長)の美術部が、自動車販売・レンタルリース業の関東自動車興業(庄内町余目、冨樫幸吉代表取締役)の依頼を受けて、同社社屋の外壁に描いた縦4メートル、横12メートルの壁画が約5カ月の制作期間を経て完成し29日、同社で引き渡し式があった。

 関東自動車興業の自動車検査場の外壁には10年以上前から、「自然環境を考える」をテーマに同校美術部から制作してもらったトンボの壁画があったが、経年劣化したことから今年4月に再び制作を依頼した。

 同校2年で美術部長の二平真弓さん(17)が同校常勤講師で同部顧問の芳賀一彰さん(35)の指導で原画を作成。町や地域の事業所の発展の思いを込めて、町の推奨花であるひまわり畑を背景に、町の鳥・ヒバリが町木のツバキの枝をくわえて飛翔する様子を描いた。

 その後7月から現場での作業がスタート。1―3年生までの部員14人が協力しながら活動。拡大した原画を基に下絵を描き、ローラーや刷毛(はけ)などを駆使して彩色。今月16日に完成した。

 この日の引き渡し式では、部員12人が訪問し、夏の猛暑で体調を崩したり絵の具が伸びないなどの苦労を振り返りながら「全員で1つの絵を完成させることができてよかった」「壁画というこれまでにない大画面を制作させてもらい、貴重な体験になった」と語った。冨樫代表取締役は「丸5カ月間の長きにわたる制作に感謝。描かれたヒバリのように一層の業務精励に取り組みたい。来年50周年を迎える当社にとって素晴らしいプレゼント」と謝辞を述べた。

引き渡し式で壁画の前で記念撮影する庄内総合の美術部員と関東自動車興業の社員ら=29
引き渡し式で壁画の前で記念撮影する庄内総合の美術部員と関東自動車興業の社員ら=29



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