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2019年(平成31年) 1月5日(土)付紙面より

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家々へ幸や福 「アマハゲ」繰り出す

 全国各地の8県10行事で構成する「来訪神‥仮面・仮装の神々」の一つとして昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されたアマハゲを含む「遊佐の小正月行事」が3日夕から夜にかけ、遊佐町吹浦の女鹿集落で行われた。登録後初の行事となり、1日夜の滝ノ浦集落に続き多くの見学者や報道陣が詰め掛けた。

 「来訪神‥仮面・仮装の神々」は、仮面・仮装で異形の姿をした者が正月などに家々を訪れ、新年を迎えるに当たって怠け者を戒めたり、人々に幸や福をもたらしたりする伝統行事。アマハゲを含む「遊佐の小正月行事」は、秋田県境に近い滝ノ浦、女鹿、鳥崎の3集落に連綿と受け継がれている。

 3日は20―40代の若衆7人が参加。このうち6人がケンダンと呼ばれるみのをまとい、▽赤鬼▽青鬼▽赤じんじ▽黒じんじ▽がんぐつ―と呼ばれる漆塗りの面を交互にかぶってアマハゲに扮(ふん)した。

 鎮守・八幡神社で参拝した後、午後3時半すぎに出発。玄関先で「ドーン、ドーン」と勢いよく太鼓を打ち鳴らすと、奇声を発しながらアマハゲが一斉に家の中に。子どもたちは怖さのあまり泣き叫んだり、両親らにしがみついた。菅原信勝さん(89)方に帰省中だった佐々木颯斗君(3)=横浜市青葉区=は「いい子にします」と。海よりの強風にあおられ、小雪が舞う天候の中、アマハゲは集落内の約20戸を回った。

 ユネスコ登録を受け、遊佐のアマハゲ保存会(会長・時田博機町長)は今年、一般見学者の民家立ち入りを制限し、事前に申し込んだ報道機関、研究者を受け入れ可能な民家に振り分けた。町教育委員会職員が同行し、1日に続き3日も大きな混乱はなかった。6日夜には鳥崎集落でも行われる。

アマハゲに抱えられ、子どもたちは怖さのあまり泣き出す=3日、女鹿集落(上)ユネスコ登録を受け、多くの報道陣、見学者が訪れた=3日、女鹿集落
アマハゲに抱えられ、子どもたちは怖さのあまり泣き出す=3日、女鹿集落(上)ユネスコ登録を受け、多くの報道陣、見学者が訪れた=3日、女鹿集落


2019年(平成31年) 1月5日(土)付紙面より

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華やかに正月彩る 「酒田押絵」羽子板展

 江戸時代から酒田市に伝わる伝統工芸「酒田押絵」の羽子板展が、同市日吉町二丁目の国登録有形文化財「山王くらぶ」で開かれており、歌舞伎や伝説を題材にした華やかな羽子板が正月ムードを盛り上げている。

 庄内には江戸時代後期から幕末にかけ、参勤交代による行き来で江戸から押絵文化がもたらされた。酒田の女性たちは、北前船でもたらされた上方文化の要素も加え、貴重な着物地で繊細、かつ洒脱な歌舞伎などの絵柄を生き生きとかたちづくる「酒田押絵」を作り上げてきた。今回は地元の女性たちが作り、2010年10月に市に寄贈した136点のうち、季節に合わせ、羽子板45点を展示した。

 このうち「若武者」と題した作品は、白馬に乗った若武者の勇ましい姿を表現したもの。そのほか、あでやかな「鷺娘」、凛々(りり)しい表情の「弁慶」、少し憂いを秘めた「お七」など、歌舞伎の登場人物や伝説の主人公らをかたちづくっている。大きさは、大きいもので高さ70センチほど。いずれも華やかな着物地の下に綿を入れて立体感を出し、生き生きとした存在感を際立たせている。

 展示を企画したイベント企画などの「チアーズ」(加藤明子代表)では「布の使い方や着物の重ね方など、受け継がれてきた繊細な技術を見てほしい」としている。

 展示は今月20日(日)まで。入場料は、大人310円、高・大学生210円、小・中学生100円。火曜日は定休。同時開催として、酒田が舞台となったNHK連続テレビ小説「おしん」の時代(明治後半から大正まで)の生活用具などを展示した「『おしん』が見た酒田展」も開かれている。問い合わせは山王くらぶ=電0234(22)0146=へ。

華やかな着物地で歌舞伎の登場人物などを描いた酒田押絵の羽子板展
華やかな着物地で歌舞伎の登場人物などを描いた酒田押絵の羽子板展



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