2019年(平成31年) 4月11日(木)付紙面より
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鶴岡市は、「まちなか居住」の促進を視野に入れた同市のJR鶴岡駅前にある旧ジャスコ跡地の活用について、民間事業者への条件付き公募型土地売却で開発を進める方針を固めた。早ければ来月にも公募に入り、今秋までには事業者を決定する運び。市が策定し、昨年3月に国の認定を受けた「第2期鶴岡市中心市街地活性化基本計画」では、ジャスコ跡地に関し、商業施設も含むマンションなど複合型住宅整備が盛り込まれている。
旧ジャスコ跡地はマリカ東館南側にある約2900平方メートルの土地で、現在は市開発公社が所有。ジャスコ鶴岡店が2005年3月末で閉店し、建物の解体後は更地のままとなっている。
市の顔となっている駅前地区の活性化が課題となる中、鶴岡駅前商店街振興組合は16年1―2月、駅前の遊休不動産の活用などを目的に「鶴岡駅前にぎわい・活性化アンケート」を実施。集計結果によると、複合商業施設を求める意見が多い一方、マンションなどの居住スペースを要望する声があった。これを踏まえ市は16年10―11月、鶴岡中央、東、西の各工業団地やサイエンスパークなどの企業と従業員を対象に、駅前のマンション需要に関するアンケートを実施。一定の需要があることが分かったほか、マンションに必要な機能として、コンビニエンスストアやATM(現金自動預払機)、飲食店、カフェなどを望む声もあった。
解体後、遊休地となっていた跡地の活用が民間事業によって進む方向性が見えてきた。市は現在、事業者の公募の際に設ける条件について検討を進めているが、開発事業の実現性を高めるためには応募者側の裁量をある程度考慮する必要があるとし、柔軟な条件とすることも念頭に入れる。土地売却の公募は市内の法人を対象に5月にも入り、市や有識者、関係団体の代表らの選定委員会で選考の上、9月ごろまでには事業者を決定する考え。事業者には国の補助金が交付される。
市によると、昨年の中心市街地活性化基本計画認定後、中高層マンションの事業化など民間開発業者からの引き合いがあるという。
2019年(平成31年) 4月11日(木)付紙面より
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1988(昭和63)年以来の大規模な保存修理工事を終えた鶴岡市の鶴岡公園にある大寶館(市指定有形文化財)で、企画展「鶴岡の手仕事」が行われている。御殿まりやいづめこ人形など、鶴岡の代表的な工芸品を作り出した職人たちとその作品などを紹介している。同館の担当者は「公園は間もなく桜の季節。職人の手仕事のぬくもりを伝える企画展とともに、きれいに修繕された大寶館の歴史建造物を見に来てもらいたい」と話している。
鶴岡ゆかりの32人の郷土人物資料を常設展示している大寶館は、昨年11月に一時閉館し、屋根の吹き替えや白壁の内外装の塗装、天井や建具修繕など保存修理工事を行っていた。先月までに工事を終え、今月6日から開館している。
企画展では、「御殿まり」の再現に成功した上野富美(1908―1990年)、花紋燭(かもんしょく)と呼ばれた鶴岡の「絵ろうそく」を復活させた富樫雄治(1932―2009年)、明治時代に「竹塗」の技法を考案した阿部竹翁(1839―1912年)、「いづめ子人形」を考案した大滝武寛(1882―1937年)の鶴岡の4人の職人にスポットを当てている。
写真資料や本人が制作した工芸作品などとともに、解説パネルを添え、現代に伝承されている鶴岡の手仕事と職人たちの生涯を紹介している。このうち大滝武寛のコーナーには、大滝作と伝わるいづめこ人形や図面、いづめ(飯詰)に入った赤ん坊の古写真などが並んでいる。企画展は3月末まで。
入館無料。開館時間は午前9時から午後4時半。水曜日定休。