2019年(令和1年) 8月11日(日)付紙面より
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ナイター照明に照らされた甲子園で鶴岡東ナインが躍動し、アルプススタンドの大応援団が勝利の歓喜に包まれた―。第101回全国高校野球選手権大会(兵庫県西宮市・阪神甲子園球場)4日目の9日、第4試合に登場した山形県代表の鶴岡東は高松商業(香川)と対戦し、丸山蓮の逆転打、竹花裕人の2点本塁打などで6―4で勝利した。県勢の初戦突破は4年ぶり。次戦の2回戦は大会9日目の14日、第2試合(午前10時半開始予定)で、今春の選抜大会準優勝の習志野(千葉)と対戦する。
序盤、相手が安打を重ね、2点をリードされても鶴岡東は慌てなかった。県大会で何度も経験した展開。「粘り強い戦いはできている」と自信があった。
打線の呼び水となったのは1番の河野宏貴。3回、2ストライクと追い込まれた状況で直球をセンター前に打ち返し、リードオフマンの意地を見せた。これから県大会の勝ち上がりと重なる。河野が3打席目の5回、1死三塁の好機。初球のスライダーがワンバウンド。「次は直球で来る」。狙ったコースを振り抜き、左翼線二塁打で1点を返した。この回、変化球の切れも鋭い左の好投手を相手に、チームは対応し始める。序盤、安易に手を出したボール球を見極め、持ち味のチェンジアップなどの変化球を狙い打ちし、球種の選択肢を削いでいく。なおも連続四死球で2死満塁とすると、この日誕生日の5番丸山蓮。低めを引っ張って三塁横へ。「抜けてくれ」―。飛び付いた三塁手の目前、ライナーは三塁ベースに当たって高くバウンドするミラクル。「ベースに当たるようなヒットは初めて」と幸運の逆転2点タイムリーとなった。
8回には2死二塁で6番森弦起が、右中間を割る二塁打で貴重な追加点。さらに9回には2番竹花裕人が2死一塁で左翼ポール直撃の2ランで突き放した。
先発した影山雄貴は6回を投げて被安打は8を数えたものの2失点に抑えた。県大会の反省を生かして意識して落ち着きながら、9人中8人が右打者の高松商業打線の内角を攻め、尻上がりに球速も増した。6回には自身最速の140キロ。「公式戦ではなかなかでない。気持ちも乗ってきていた」とこの回の満塁のピンチも無失点で切り抜けた。
佐藤俊監督は「前半リードされる展開で粘ってしのいでよく頑張ってくれた。良い投手を相手に、初ヒットを打って先頭打者の役割を果たしてくれた河野をはじめ、各自が3巡目以降、修正して打つべき球を打ってくれた。予想以上に頑張ってくれた影山、継投の池田も粘り強く投げてくれた。すべての選手に感謝」と話した。
2019年(令和1年) 8月11日(日)付紙面より
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酒田市升田の「玉簾(すだれ)の滝」で9日、恒例のライトアップが始まり、幻想的な世界が行楽客たちを楽しませている。
玉簾の滝は約1200年前、弘法大師が神のお告げで見つけ、命名したといわれる。落差約63メートル、幅約5メートルで、落ち口から滝つぼまで垂直に落ちる「直瀑」としては県内随一の規模を誇る。ライトアップは升田区自治会(70世帯)が2000年夏から地域の魅力発信に、5月の連休、8月のお盆、凍って「氷瀑」となる1月下旬ごろの年3回実施。
初日の9日はライトアップが始まる午後6時半ごろから、若い男女や家族連れらが次々に訪れた。水銀灯が周囲の木々を照らし、緑色の深海に潜り込んだような幻想的な雰囲気の中、ゆっくりと落ちる白い滝に「きれい」と見入り、盛んに写真に収めていた。
同自治会は今回から来訪者1人100円の協力金を任意で提供してもらっている。老朽化した照明機器の更新や、駐車場から滝までの遊歩道(長さ約300メートル)周辺の草刈りなど環境整備に充てるためとしている。ライトアップは18日(日)まで。時間は午後6時半ごろから9時ごろまで。駐車場脇では住民による「産直ららら」も営業。