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2019年(令和1年) 10月17日(木)付紙面より

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影響力持つ5人が来庄、魅力発信

 タイ国際航空(本社・バンコク)が今月末からバンコク―仙台間の定期便を復活させるのを前に、同国のインターネット上で大きな影響力を持つ「インフルエンサー」5人が15―18日の3泊4日の日程で本県などを訪れ、東北地方の観光の魅力を発信している。

 東北への外国人観光誘客を推進している一般社団法人みちのくインバウンド推進協議会(本部・酒田市、熊谷芳則理事長)が招致した。タイ国際航空では仙台便の利用増に向け、年末まで少なくとも延べ500人のタイのインフルエンサーが東北の観光を体験するプログラムを展開中で、同推進協も連携して東北の観光をアピールする狙い。

 訪れたのは、タイのテレビ番組の司会などとして活躍している俳優、カン・カンタサウォンさん(33)ら5人。カンさんは、写真共有サイト「インスタグラム」でフォロワー(視聴登録者)約360万人、動画投稿サイト「You Tube」では同約70万人、動画再生回数が数万から数百万回など大きな影響力を持っている。今回は、今年8月に東北地方を訪れたタイ国際航空のエクニティ・ニティタンプラパス会長の仲介で招かれた。

 一行は初日の15日、空路で庄内入り。午後1時ごろから酒田市の酒田漁港上屋で、メバルなど魚介類の炭火焼きや刺し身造りの実演を見ながら昼食。特に、マダイの刺し身や山形牛のステーキ、本県産米「雪若丸」などが好評で、盛んに写真や動画に収めた。浜風が吹いてやや肌寒い中、配膳役の県漁協の女性が「貸してあげる」とジャンパーを羽織らせる一幕もあった。

 カンさんは「これまで何回も日本に来ているが、今回は一番感動した。特に皆さんのおもてなしが素晴らしい。各観光地の食事や自然の素晴らしさ、人の魅力を発信したい」と話した。

 コーディネートしたタイの旅行会社ワールド・プロ・トラベルのルンナパ・カンパヤ社長によると、タイ国際航空は来春をめどに、台湾・高雄―仙台間でも定期便を就航する計画を検討中という。みちのくインバウンド推進協の熊谷理事長は「それだけ東北の観光を高く評価し、市場の可能性を見いだしている証拠。受け入れにも一層力を入れたい」と話した。

 タイの一行は滞在中、加茂水族館(鶴岡市)や山居倉庫(酒田市)、最上川舟下り(戸沢村)、銀山温泉(尾花沢市)、宮城蔵王キツネ村(宮城県白石市)などを巡る。

魚介類の炭火焼きの実演を見学するカンさん(右奥)らタイのインフルエンサーら=15日午後1時すぎ、酒田市の酒田漁港上屋
魚介類の炭火焼きの実演を見学するカンさん(右奥)らタイのインフルエンサーら=15日午後1時すぎ、酒田市の酒田漁港上屋


2019年(令和1年) 10月17日(木)付紙面より

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突風探知のドップラーレーダー

 JR東日本(本社・東京都)は、2017年12月から突風を探知し運転規制に運用している酒田市黒森の「ドップラーレーダー」について、11月1日から観測と運転規制の範囲をこれまでの半径約30キロから同約60キロに拡大する。

 庄内地方では05年12月、庄内町榎木のJR羽越本線で特急いなほ14号が突風にあおられて転覆・脱線し、乗客5人が死亡、乗客・乗員33人がけがをする事故が発生した。ドップラーレーダーはその対策として気象庁気象研究所と共同で研究を始め、当初は07年1月に同町の余目駅に観測範囲が半径約30キロのものを設置。16年11月にはこれに代え、同約60キロのものを黒森に設置し、17年12月から半径約30キロで列車運転規制に運用を始めた。今回は、観測の評価結果を踏まえ、観測・規制の範囲をレーダーの能力いっぱいに拡大する。

 運転規制の範囲は、羽越本線はこれまでの五十川(鶴岡市)―女鹿(遊佐町)間から「今川(新潟県村上市)―西目(秋田県由利本荘市)間」に拡大される。陸羽西線についてはこれまで通り、「余目(庄内町)―清川(同)間」と変更はない。「清川以東の最上川峡谷は気象が複雑で、現段階ではドップラーレーダーによる観測が難しいため」(JR東日本広報部報道グループ)という。

 同社によると、黒森のドップラーレーダーの運用を開始した17年12月以降、同レーダーを用いた運転規制は、17年度は53回(16日)、18年度は21回(14日)あった。計74回の規制のうち46回(約62%)で実際に突風が発生しており、「かなりの精度で予測できている」(同)とみている。

 同社では現在、このシステムを他地域にも導入することを検討しているほか、AI(人工知能)を使った突風探知技術の開発に取り組んでいる。他地域としては、他の日本海沿岸や首都圏などを想定しているが、突風が発生しやすいのは日本海沿岸は冬季、首都圏は夏季など特性が異なるため、単に同じものを設置すればよいものではないという。また、AIについては、過去の観測データを学習させ、突風をもたらす「風の渦」を判別する精度を高めることを目指しているという。

 同社報道グループでは「安全第一であり、今回の観測・規制の範囲拡大は規制の頻度が減ることには直結しない。しかし今後、精度がより高まることで、不要な規制が減っていく可能性はある」としている。

 ドップラーレーダーは、上空に音波を発し、水蒸気などに反射して返ってくる音波を分析し、風を観測するもの。JRと気象研究所ではこれを使い、近づく風と遠ざかる風のペアを「風の渦」として捉え、突風(藤田スケールで毎秒33―49メートルのF1以上)をもたらす可能性のある渦を探知し、その強さや移動速度、渦がもたらす最大風速・予測進路などを算出する技術を確立した。
           
     

酒田市黒森に設置されているドップラーレーダー
酒田市黒森に設置されているドップラーレーダー

ドップラーレーダーを使った現在の規制範囲と拡大後の範囲=JRの広報資料より
ドップラーレーダーを使った現在の規制範囲と拡大後の範囲=JRの広報資料より



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