2019年(令和1年) 12月1日(日)付紙面より
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食の都庄内・サポーター見学会が28日、庄内町で行われた。県庄内総合支庁が企画したもので見学後、SNSで情報発信してもらうことが条件だったが、各人進んで行うなど、実りある日帰りバスツアーになった。最後に訪れたJR余目駅前の新産業創造館クラッセでは果物・野菜などの加工品製造を「時間貸し」で利用できる調理室を見学。6次産業化工房として、“お試し”感覚で自らブランドを立ち上げた後、軌道に乗った「ハラダのカレー」や、人気商品となった柿バターサンドクッキー「ほしがきさん」などの説明を受けた。
ホテルリッチ&ガーデン酒田の佐藤徹総料理長も参加。「食品加工に新たな挑戦をしている地元の人の姿を見て、大きな刺激になった」と感心した。庄内浜文化伝道師で食品バイヤーも務める佐藤善友さん(酒田・ト一屋)は「アイデアを感じられる物が多かった。これらの商品を店で売れる機会があるならうれしい」と期待を寄せた。クラッセは駅前にあった築80年の米倉庫を改修したもので5年前オープン。地域食材を生かしたレストランや新鮮地場産野菜などの販売ブースもある。
この日の参加者は20人。「食の都庄内」サポーターはSNSのほか口コミで地元の食の魅力を発信している。この日はいで葉工望・ベビーリーフ栽培ハウス(家根合)を訪れ、ハナブサ醤油(余目)では発酵食品を工場見学した。昼はベビーリーフと発酵食品を使ったランチを楽しんだ。
2019年(令和1年) 12月1日(日)付紙面より
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県の「外国人材活用セミナー」が29日、酒田市の日新開発ビルで開かれ、庄内地方の事業主らがアジアにおける労働市場の現状や、技能実習、今年4月から始まった新在留資格「特定技能」の各制度など、外国人を雇用する際の留意点を学んだ。
県が本年度初めて主催した。少子高齢化や人口減少などで人手不足が深刻化する中、政府は対策として女性、高齢者とともに外国人の活用を推進しようとしている。その流れを踏まえ、外国人雇用への理解を深める狙い。28日に米沢市と山形市、29日に新庄市と酒田市の計4カ所で実施した。
このうち酒田会場には庄内地方の事業主や、技能実習で受け入れ母体となる業界団体などの事業協同組合の関係者ら約20人が参加。外国人雇用に特化した行政書士業務などを手掛けるACROSEED(東京都)の佐野誠代表取締役の講話を聞いた。
佐野さんは、わが国では生産年齢人口(15―64歳)が年間、80万人ずつ減少していることや、それに伴い外国人労働者が同20万人ずつ増え2018年は146万人となり、わが国の経済活動に不可欠な存在になりつつある現状を説明。
一方で、外貨を稼ぐ国策で海外就労を推奨しているフィリピンでは、人気の渡航先として日本は台湾や韓国、シンガポールなどより下位の7番目。これについて佐野さんは「物価はシンガポールの方が高く、中国の方がもうけられる。日本は、選んでもらえる国にならないといけない。かつては3K(きつい、汚い、危険)でも来てくれたが、今はもう通じない。日本人と同等以上の待遇が必要」など、アジアの労働市場でわが国が置かれた状況を説明した。
その上で、在留資格の種類と可能な就労の関係、受け入れ手続きなどを解説。特定技能については「これまで規制が厳しかった現業(介護、建設、宿泊、農業、漁業、外食など)の規制が緩和され、技能実習2号の終了者がさらに5年間、就労できる。技能実習と違い、本人の意思で転職できるので、就労条件が良くないと安定雇用につながらない」など留意点を指摘。また、「単純労働ばかりでは、能力が高まらず、賃金も上がらないため意欲低下につながる。企業側のメーン業務の担い手確保の観点からも、今後は正社員として採用する流れになる」と方向性を示した。