2020年(令和2年) 1月24日(金)付紙面より
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国土交通省が実施している羽田空港発着枠政策コンテストを受け、全日空が運航する庄内空港の羽田線を現行の1日4往復から5往復へ増便を目指す動きが浮上している。庄内―羽田線の5便化は、庄内地域の重要要望事業として関係方面に継続して強く要望しているもので、同コンテストによる発着枠が3枠から5枠に拡大されたことを踏まえ、「悲願の5便化へ千載一遇の好機」との声が出ている。22日には庄内県議団がコンテスト提案に関し県と意見交換したほか、庄内開発協議会(会長・皆川治鶴岡市長)も県へ提案を働き掛ける要望の構えを見せている。
政策コンテストは当初3枠を設定し、2014年に導入された。地方創生を視野に入れ、航空会社の自助努力だけでは路線の維持・充実の困難な地方路線について、地元自治体と航空会社による共同提案を募った上で評価し、優れた提案に対し羽田空港の発着枠を配分している。
このコンテストで、日本航空と県、山形空港利用拡大推進協議会による共同提案の山形―羽田線が選ばれ、1便だった路線が14年から2便に増便。2便化に伴い利用者が3倍近くまで伸びている。現在は山形―羽田、鳥取―羽田、岩見(島根県)―羽田の3路線が政策コンテストで羽田空港発着枠の配分を受けている。
国交省は、発着枠を今年10月の運航から5枠に拡大することを決定。2月14日を期限に設定して、先月18日から政策コンテストの提案募集を始めた。今回のコンテストによる枠配分は今年10月から3年間の設定。これを受け、庄内地域の自治体や経済界が中心となり、コンテストによる庄内―羽田線の5便化実現への働き掛けを強めている。
22日に県議会棟で行われた庄内県議団と県との意見交換には、庄内地域選出の全11議員と、県の大瀧洋企画振興部長、酒井達朗総合交通政策課長が出席。会合は非公開で行われ、出席した県議によると、県議団側からは「庄内―羽田線の5便化は庄内地域の悲願。増枠された今回の政策コンテストは実現への千載一遇の好機だ。共同提案へ県のバックアップを」といった意見が多く出されたという。
今回の政策コンテストの概要や山形―羽田線の状況などを説明した大瀧部長は、荘内日報の取材に「庄内県議団の意見は真摯(しんし)受け止めたい。政策コンテスト提案締め切りの2月14日まで、(山形空港を含め)国交省に提出する提案内容を総合的に考えたい」と話した。
庄内空港の羽田線は年間約40万人が利用し、平均搭乗率約70%と高い率を維持している。ビジネス利用が多いのが特徴で、03年7月からの4便化以降、運航ダイヤの空白時間帯への増便など5便化実現を望む声が強まっている。庄内の自治体や経済界の関係者は今回の政策コンテストについて「長年にわたって5便化実現を働き掛けている庄内地域として、今回のコンテストに応募しないことはあり得ない話。5便化を実現し、地元としてもさらなる利用者増を図り、庄内空港の2500メートルへの滑走路延長へとつなげていきたい」と話している。
2020年(令和2年) 1月24日(金)付紙面より
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認知症の家族を介護している人たちを対象にした「にこにこ介護者ほっとカフェ」が22日、三川町の三川町福祉センターで行われた。同町が主催したもので、約40人が参加した。庄内2市3町はそれぞれ独自に認知症カフェ・サロンを展開、症状への予備知識を持つことを呼び掛けているが“三川スタイル”はグループ分けし相談し合ったことを早速、寸劇にして披露する内容。
介護者(姑の面倒を見る長男の嫁)と相談員(ケアマネジャー)の2人芝居は、姑のシモの世話を嫌だと思っている嫁が、それでも気持ちを切り替えて行おうとしたのに「あんたの世話になんかなりたくない」と拒否されてしまう。それもあって姑の実の息子である夫に言い募るが「俺は知らない。分からない」と逃げられてしまうという、嫁の憤まんやるかたない気持ちを分かりやすく表現した。ここで相談員は「一人で抱え込まず、町内のデイサービスを使いなさい。介護負担の軽減をしないと身が持たないわよ」と優しく語りかけた――など3編がアドリブを交え演じられた。
「現実的な悩みをカフェで介護者同士が分け合うことで、悩みの解消になる。町全体で情報を分かち合うことが目標」と同町健康福祉課・地域包括支援センターの佐藤潮主査。同町では「にこにこメイト」(三川町認知症キャラバンメイトの会)を結成し、認知症の早期発見と初期集中支援に努め、症状が重くならないよう施策を講じている。次回にこにこカフェは3月11日に開催予定。