2020年(令和2年) 2月15日(土)付紙面より
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酒田市が運行する市福祉乗合バス「るんるんバス」に、北前船の日本遺産と、同市がニュージーランド(NZ)を相手国に登録されている東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンをアピールするラッピングバスが各1台導入され、市内を循環してそれぞれの機運醸成に一役買っている。
市日本遺産推進協議会(会長・丸山至市長)、市ホストタウン推進協議会(同)の各啓発事業として、「日本遺産の日」(13日)に合わせ、側面と後方にオリジナルのデザインをあしらったバスを先月21日から運行している。
日本遺産は2017年4月、同市が「北前船寄港地・船主集落」として文化庁の認定を受けた。バスには山居倉庫や相馬楼、本間家旧本邸など同遺産の構成文化財の写真、全国の寄港地自治体でつくる北前船日本遺産推進協議会のロゴマークなどをデザインした。市内循環B線で来年3月末ごろまで運行の予定。
ホストタウンは17年12月、同市がNZを相手国、トライアスロンを主要種目として内閣府の登録を受けた。今年7月13―23日には五輪選手の事前キャンプを受け入れることが決まっている。バスは下半分を赤く染め、NZの国旗や、同国を象徴するシダ「シルバーファン」、国鳥キウイの絵、「ようこそ トライアスロン・ニュージーランド」の文字などをあしらい、歓迎ムード醸成の狙いも込めた。市内循環A線で今年9月末ごろまで運行する。
市交流観光課では「市民からは『明るいムードで良い』などまずまずの評判。観光客にも、酒田の日本遺産やNZのホストタウンであることをアピールできれば」としている。
2020年(令和2年) 2月15日(土)付紙面より
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将来的な地元定着・回帰に向け、酒田市の酒田西高校(小松幸樹校長)で13日、地元企業との懇談会が行われ、1年生159人が官民15事業所担当者の話に耳を傾けて理解を深めた。
若者の地元定着・回帰を促すため、地域の産業情報に触れる機会が少ない進学校の生徒たちから地元企業の魅力を知り、進路選択に生かしてもらうとともに、自らの働き方について考える機会にしてもらおうと、県庄内総合支庁が2018年度から各高校と共に実施している懇談会。本年度は既に4校で行われ、同校での開催は初めて。
この日は行政や消防、製造業、医療・福祉関連などさまざまな職種の15事業所が参加。初めに同総合支庁地域産業経済課の遠藤由美子商工労政主査が「庄内地域の現状と地元就職について」のテーマで講話、庄内地域における人口減少の将来予測を示し、「人口減少は全国的な課題だが、特に庄内地域は顕著」と話した。そして「地元企業に持っているイメージにとらわれず、広く情報収集を」などと語り掛け、若者の地元定着に向けた県の施策を紹介した。
その後、生徒たちは10人前後のグループに分かれて事業所ブースを訪問。来校した担当者の中には同校卒の「先輩」も多く、生徒たちは話に聴き入り地元企業への理解を深めた。同課の信坂正浩課長は「若者の地元定着は喫緊の課題。これまで県立高校だけだったが、新年度以降は私立高校でも開催したい」と話した。