2020年(令和2年) 5月23日(土)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡高等養護学校(山吉泰校長)は21日、同市の天神祭の記念品として生徒たちが製作した特製の木札800枚を同祭実行委員会に納めた。
例年、編み笠姿の「化けもの」になる人たちに特典としてプレゼントしているが、今年の祭りは新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、衣装貸し出しとともに呼び物の大パレードが中止になってしまったため、参加予定だった朝暘一―六小の児童約600人に贈られる。
木札は縦10センチ、横6センチの名刺入れほどの大きさで、地元のスギの間伐材を使った。同校が10年前から職業訓練の一環で製作を引き受けており、昨年夏ごろから切り出しや面取り、穴開け、ひも通しなどの作業を進めた。仕上げの焼き印押しは、新型コロナの影響で臨時休校となったため、教職員が担った。
この日、生徒会長の3年、本間俊彦さん(17)、山吉校長らが市役所を訪れ、天神祭実行委に木札を届けた。本間さんは「パレードが中止になって残念ですが、天神祭の記念品なので小学生のみんなに喜んでもらえたらうれしい」と話した。
焼き印の文字の今年の揮毫(きごう)は前実行委員長の早坂剛さん。新型コロナに負けるなというエールにも通じるような中国古典の「疾風知勁草(しっぷうにけいそうをしる)」。強い風が吹いたときに初めて、それに負けない強い草を見分けられるという言葉で、困難や試練に直面したときに、その人の意志の強さや人としての値打ちが分かるといった意味だ。
2020年(令和2年) 5月23日(土)付紙面より
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酒田市の南平田小学校(加賀谷成秀校長)の5年生52人が22日、学校近くにある実習田で苗の手植え作業を体験した。女子児童は例年、ハンコタンナにかすりの着物、モンペという伝統的な「庄内おばこ」姿になり実施していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため今年は見送り。児童たちは額に汗しながら丁寧に作業に当たった。
1993年から毎シーズン、同市飛鳥の農業、土田治夫さん(59)の水田10アールを借り、5年生が社会科と総合学習の一環で実施している。地域のおばあちゃんたちから着付けを手伝ってもらい、女子児童はこれまで「庄内おばこ」姿になっていたが、「密接」を避けるため体操着での体験となった。
児童たちはこの日、土田さんから苗の植え方を教えてもらった後、素足になって田んぼに。怖々とした表情で一歩ずつ泥の中を進みながら、「つや姫」の苗を5、6本ずつ丁寧に植えていった。泥の中から足を上げるたびによろめく児童が多く、「きゃー」という歓声が周囲に響き渡った。
参加児童の一人、後藤颯心君(10)は「田んぼの中は少し冷たかった。腰を曲げているのでかなり疲れた。おいしく育ってほしい」と。土田さんは「苗の生育は良い。感染症の影響で体験を中止する学校が多くある中、実施することができてまずは良かった」と語り、「若い世代から食に関心を持ってもらうことはとても大切なこと。このような機会を通して呼び掛けたい」と話した。
児童たちは今季、田んぼの他、バケツの中で稲を育てる「バケツ稲」にも挑戦する。観察などの学習を進め、10月には手刈りによる稲刈りとくい掛け、足踏み式脱穀、11月には土田さんら協力者を招き、恒例の収穫感謝祭を行う予定。