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2020年(令和2年) 7月9日(木)付紙面より

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コロナ禍 生活困窮の学生を支援 公益大Liga「フードパントリー」初めて実施

 新型コロナウイルスの影響でアルバイト収入が減少し、生活に困窮する学生を支援しようと、東北公益文科大学(神田直弥学長)の学生団体「Liga食品ロス削減チーム」=鈴木梨加代表(20)、12人=は7日、主として賞味期限間近の食品を学生に提供する「フードパントリー」を初めて学内で実施。公益大によると、学生主体でこのような活動を展開するのは県内でも初という。鈴木代表は「これからも人と人、人と公益をつなげていきたい」と話している。

 フードパントリーは一人親世帯や生活困窮者に無償で食品を提供するための場所や活動のこと。同チームは今回、公益大でもアルバイト先の営業自粛などにより収入が減少した学生がいることから、賞味期限間近の食品を企業などから広く募って無償提供することにした。鈴木代表は「食品ロス削減、学生同士で助け合う仕組みづくりを進めたい」と企画意図を話す。

 提供を受けるための市内企業とのマッチングは、市産業振興まちづくりセンター「サンロク」が全面協力。チームメンバーは先月中旬以降、サンロクから紹介を受けた企業などを回り、食品提供を依頼。結果、8事業所・団体、4個人からカップラーメンや米、カレールー、乾麺、缶詰などの寄贈を受けたという。

 この日提供を受けた男子学生(20)=3年、山形市出身=は「飲食店でアルバイトをやっている。来店客が少なく、早めに店を閉めるため収入がなかなか増えない。貯金を切り崩している状況で、このような取り組みはありがたい」と話した。

 鈴木代表によると、今後は一人親世帯へのフードパントリー、飲食店で出された食品の余りを持ち帰る「ドギーバッグ」の提供、農家から仕入れた規格外の野菜をフリーズドライにして販売、その売り上げの還元なども視野に入れているという。次回の学生対象フードパントリーは今年9月ごろの予定。

公益大で行われた食品提供のフードパントリー
公益大で行われた食品提供のフードパントリー


2020年(令和2年) 7月9日(木)付紙面より

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遊佐町有形文化財 「船絵馬」修復作業スタート

 海上安全祈願、海難を免れたことへの感謝のため、船主や船頭らが自らの船の絵を絵師に描いてもらって神社に奉納した「船絵馬」。江戸末期―明治中期に奉納され、遊佐町内の神社に現存する91点はいずれも町有形文化財に指定されている。奉納後150年近い年月が経ち、剥落や汚損が激しいことから町教育委員会は、東北芸術工科大学(山形市)に保存修復作業を依頼。初めての作業が現在、同町比子の服部興野公民館で行われている。

 北海道でのニシン漁に成功した青山留吉翁(1836―1916年)をはじめ、特に町西部の浜通りに暮らす人たちは生活の糧のため荒海に乗り出した。町教委によると、危険が伴うことから神仏の加護を祈り、比子地区から吹浦地区まで海沿いの神社に数多くの船絵馬が奉納されたという。残存し文化財指定を受けた船絵馬は、白木薬師神社が3点、青塚諏訪神社が54点、船玉神社と稲荷神社(いずれも服部興野集落)が33点、鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮が1点の計91点。

 文化財の保護を図るとともに、郷土に対する誇りと愛着を育み、地域活性化や交流拡大につなげていくことを目的とした県の「未来に伝える山形の宝」制度で昨年3月、同町の文化財保存活用事業「海とともに生きた人々の祈り」が登録された。これを受け、関連文化財の一体的な保存活用に向けて今回、芸工大文化財保存修復学科の杉山恵助准教授(東洋絵画修復など、芸工大文化財保存修復研究センター研究員)に船絵馬の保存修復を依頼した。

 町教委によると、修復作業は本年度から3カ年計画という。初の作業は今月6日にスタート。服部興野集落の船玉、稲荷両神社に残る船絵馬などの額装を公民館に運び込み、杉山准教授ら研究員、大学院生計6人が1枚ずつ写真を撮った後、表面のほこりを化粧筆を使ってきれいに取り除くドライクリーニングなど施している。

 絵馬の中には絵の具の剥落、のりが浮いた箇所もあり今後、どのような修復が可能か検討する。杉山准教授は「これだけの数が残っており、この地域でいかに大事にされてきたものかが分かる」と話した。今回の作業は9日まで続く。

杉山准教授(手前左)らが絵馬の修復作業に従事=7日午後、服部興野公民館
杉山准教授(手前左)らが絵馬の修復作業に従事=7日午後、服部興野公民館



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