2020年(令和2年) 1月16日(木)付紙面より
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鶴岡市の湯野浜温泉の「創作料理ワークショップ」が14日、亀やで行われた。湯野浜観光協会とDEGAM鶴岡ツーリズムビューロー(理事長・皆川治鶴岡市長)が共催した。東京・丸の内の東京會舘・鈴木直登和食総調理長(68)を招いて、庄内・鶴岡ならではの食プログラム開発プロジェクトに取り組み、昨秋から既に2回学んできたが、3回目は地元料理人の披露の場となった。
亀や、龍の湯、竹屋ホテル、游水亭いさごやの4宿舎がそれぞれ、地元の食材を使って創作料理を披露した。
鈴木さんが「これは、おいしいね」と褒めたのが龍の湯「自然薯(じねんじょ)豆腐」。和風プリンの趣で豆乳・上白糖・昆布だしと本くずで練り上げたものに、新味として七窪地区で採れた自然薯をさらに混ぜた。鈴木康修キッチンサービス主任は「バイキングでも出して好評をもらっているもの。今回、地元産自然薯を使うことでさらに地元らしさを出した」という。他は米の粉豚、平牧・金華豚、さらに寒ダラの白子などを使い、趣向を凝らした。鈴木さんは新潟県村上市出身。庄内と食文化が相通じていることを挙げながら「地元の食材を生かしつつ、個性を打ち出さなければならない」とアドバイス。「ただ個性が過ぎると好き嫌いがはっきりする。70%のお客さんが理解し、そしてまた“あの料理もう一度食べたいな”という強い印象を持ってもらえるものにしなければ」とさらなる課題を出した。
また「給仕のおばちゃんに任せっきりでなく、料理人自らが客の目の前で作り、提供することで、料理を出すタイミングなど給仕の人との連携が見えてくる」と料理人が客と交わることの重要性を説いていた。
ワークショップの最終第4回は来月25日に行われ、鈴木さん自らが厨房(ちゅうぼう)に立ち、地元料理人たちと新作メニューの開発・実践を行う。
2020年(令和2年) 1月16日(木)付紙面より
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出羽三山の開祖・蜂子皇子(はちこのおうじ)を主人公にした市民参加型ミュージカルを手掛ける鶴岡市の団体のメンバーが14日、同市役所を訪れ、今年11月に奈良県明日香村で「蜂子の皇子物語」の里帰り公演を行うことを皆川治市長に報告した。
子どものいじめをテーマにした「ハッピーバースデー」や「蜂子の皇子物語」の公演を実施している市民参加型ミュージカル実行委員会(高山千代子代表)を核に、「蜂子の皇子」奈良あすか里帰り公演実行委員会(大渕光一代表)をつくり、11月22日に蜂子皇子が生まれたとされる明日香村のホールで公演する。
蜂子皇子は飛鳥時代に崇峻天皇の第3皇子として誕生。崇峻天皇が蘇我馬子に暗殺されたため、皇子はいとこの聖徳太子の助けで丹後国由良(現京都府宮津市由良)から舟で逃れ、鶴岡の由良にたどり着き、羽黒山をはじめとする出羽三山を開いたとされる。
ミュージカル「蜂子の皇子物語」は、皇子が出羽三山での修行によって馬子に対する復讐の気持ちを平和を守る心へと昇華させ、馬子も皇子の理解者となるといった内容。酒田港に寄港する大型クルーズ船の外国人乗客向けに英語での公演も手掛けている。里帰り公演については、東北電力の地域づくり支援制度「東北・新潟の活性化応援プログラム」で県内唯一の支援団体に決まり、先月に助成金が贈られた。
この日、里帰り公演実行委のメンバー5人が市役所を訪れ、助成採択とともに公演に向けた活動内容を皆川市長に報告した。大渕代表は「荘銀タクト鶴岡での公演を見て、とても素晴らしい舞台に感動した。個人的に奈良とつながりがあり、蜂子皇子が生まれた飛鳥地方で里帰り公演できないかと関係者に働き掛けてきた」と経緯を説明し、「単発の公演で終わらせることなく、里帰り公演をきっかけに鶴岡・庄内の歴史文化や食を知ってもらい関西圏との交流人口の拡大にもつなげていきたい」と抱負を述べた。
公演は鶴岡市内の子どもから大人まで出演し、奈良の市民劇団の団員の参加も得て行う計画。皆川市長は「出羽三山をはじめ鶴岡の魅力のPRになることを期待している」と激励した。