2021年(令和3年) 9月15日(水)付紙面より
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経済産業省と国土交通省は13日、再エネ海域利用法に基づく今後の促進区域の指定に向け、遊佐町沖など国内4カ所を洋上風力発電の「有望な区域」に追加した。今回の選定で遊佐町沖は今後、「より具体的な検討を進めるべき区域」とされ、法定協議会の設置に進むこととなる。
経済産業省と国土交通省は「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域指定ガイドライン」に基づき、各地域における促進区域指定のニーズに関する情報など、さまざまな既知情報の収集を行った上で、早期に促進区域に指定できる見込みがあり、より具体的な検討を進めるべき区域を「有望な区域」と整理している。これまで青森県や長崎県など3カ所が選定されており、今回の追加で「有望な区域」は6県の7区域となった。
吉村美栄子知事は「今回の選定は誠に喜ばしく、事業化に向けて大きく前進したものと受け止めている。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて最大限の導入が必要となる再生可能エネルギーの中でも、洋上風力発電は切り札として特に導入拡大が期待されている。これまで遊佐町や関係者とともに研究・検討を重ねてきた内容について、法定協議会で十分に伝えていくとともに、本県の洋上風力発電事業が着実に前進するよう取り組んでいく」とコメントを発表した。
2021年(令和3年) 9月15日(水)付紙面より
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酒田商工会議所(弦巻伸会頭)、鶴岡商工会議所(加藤捷男会頭)、庄内地区商工会広域連携協議会(上野隆一会長)の庄内地域の経済3団体は13日、東北公益文科大(酒田市)の早期公立化を求める要望書を県に提出した。県側からは「これまで通り、早期の公立化を進める方針に変わりはない」といった返答があった。
庄内の経済3団体が一体となって同大の早期公立化を県に要望するのは今回が初めて。弦巻会頭、加藤会頭、上野会長など4人と高橋淳県議(鶴岡市区)が県庁を訪れ、大滝洋総務部長に要望書を手渡した。
要望書は少子化の急速な進行や受験生の国公立大、大規模私立大志向の高まり、教育費負担の増大などを踏まえ、東北公益文科大の持続可能な運営のため公立化による抜本的改革が必要と訴えるもの。
また、公立化による安定した財政基盤で、定員拡大や地元学生を対象とした地域枠創設などの取り組みが容易になることや、経済的負担の軽減による学生の安定確保、同大大学院の教育拠点強化による高度職業人材の輩出、地元企業の優秀な人材確保など公立化のメリットにも触れている。
大滝部長との懇談の中で3団体側は「東北公益文科大の公立化による定員増が実現すれば、若者の庄内定着にもつながる。新型コロナの影響もあって若者の間では県内志向が高まっており、公立化には今が欠かせないタイミング。県としても検討組織の早期立ち上げをお願いしたい」と強く要望した。
これに対し大滝部長は「しっかりと内部で検討を進めたい。新型コロナの影響でしっかりした協議の場が設けられないのが悩みどころ。ウェブ会議では細かい部分が進まず、時間の余裕も取れない」と返答した。
続いて3団体は非公開で吉村美栄子知事と懇談。懇談後、上野会長は「知事から『早期公立化の考えは変わっていない』と前向きな発言をもらった。また、『新型コロナで2年近く県政が停滞しており、副知事問題などの対応にも追われている。コロナの収束後、急いで準備を進めたい』と話し、公立化の明確な時期は示されなかった」と述べた。
また、加藤会頭は「知事に県の検討組織を早急に立ち上げてほしいと要望した。知事の返答は『前向きに検討する』といったもの。コロナの対応で忙しいと思うがぜひ進めてもらいたい」、弦巻会頭は「(東北公益文科大の)卒業生の約20%が庄内で就職する。若者定着のため大学は大きい要素。公立化による定員増が地域活性化につながることを伝えた」とそれぞれ述べた。
3団体は今後さらに協議を重ね、庄内地域全体で東北公益文科大の公立化に向け機運醸成を図るという。