2021年(令和3年) 10月1日(金)付紙面より
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任期満了に伴う鶴岡市長選(10月3日告示、10日投開票)の立候補予定者による公開討論会が29日夜、同市のグランドエル・サンで開かれ、現職で2期目を目指す皆川治氏(46)=森片=と、新人で前県議の佐藤聡氏(53)=茨新田=の2人がそれぞれの政策をアピールした。
公開討論会は鶴岡青年会議所(五十嵐由浩理事長)が主催した。
両氏が立候補を決意した理由や選挙戦で訴える重点施策について、与えられたテーマなどに沿って、制限時間内にそれぞれの考え、主張を述べた。
人口減少と生産年齢人口(15―65歳)の減少に対する重点施策について、皆川氏は「県と連携した奨学金返済支援制度を始めており、新産業用地開発にも取り組み魅力ある多様な働く場を創出することで、地元に残る人、転入する人を増やす」、佐藤氏は「地元にある企業を若い人たちから知ってもらうことが重要であり、郷土愛を育む教育にも取り組む。子どもが遊び、本に親しむ複合施設の設置も目指す」とした。
アフターコロナの経済対策について、佐藤氏は「学生と事業者らによる『観光まちゼミ』の設置など、県内トップの入り込みを誇る観光を復活させる。県外企業の本社機能移転も働き掛けていきたい」、皆川氏は「園芸作物振興など食文化都市の基盤となる農業の産出額をアップさせる。企業の新分野展開、業態転換を支援し、サイエンスパークの管理手法の見直しも検討する」と述べた。
進行役からの「これだけは言いたいこと」の質問の中で、皆川氏は「対話と協働の市政」を強調した後、佐藤氏の公約発表が9月21日で自身の発表の9月5日より遅くなったことを「新人としては少し遅いのでは」と批判。佐藤氏は「鶴岡は歴史的・伝統的に人を大切にしてきた」とし、掲げる3つの都市ビジョンを説明した。
公開討論会は、新型コロナウイルス対策として定員を制限した上で、事前に整理券を配布する方式で開催し、会場には市民約140人が来場。オンライン配信も行い、200人ほどが視聴したという。
2021年(令和3年) 10月1日(金)付紙面より
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9月に東京で開催された第41回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールの声楽部門中学生の部で、鶴岡第三中学校3年の脇久乃さん(14)が3位に入賞した。幼い頃からピアノを習い、小学6年生の時で本格的に声楽を習い始めた久乃さん。数年での成長に、指導者の鈴木美智子さん(鶴岡市鳥居町)も「ただただ素晴らしい。これからが楽しみ」と活躍を喜んでいる。
鈴木さんの音楽教室では母の浩子さん(47)が高校時代からピアノを習っており、浩子さんの勧めもあって4歳から一緒に習っている。朝暘二小の4年生からスクールバンドに所属、中学校では吹奏楽部でフルートを担当していた。声楽は、鈴木さんが3年ほど前に主催した動物チャリティーコンサートを開く際、久乃さんの歌声がきれいなことに気付き、コンサートで一緒に歌ったのがきっかけ。それから鈴木さんが指導している。鈴木さんは「歌うことが大好きなようで練習も真面目。声量もたっぷりで、中学生とは思えない」と手放しで褒める。
このコンクールは東京国際芸術協会が主催し、就学前の幼児から25歳以下の大学生までを対象に、練習の成果の発表機会の提供と奨励を目的に開催している。声楽の他にピアノ、木管楽器、作曲など6部門がある。久乃さんは昨年、本選まで進んだが今年はリベンジ。山形市で行われた予選、本選を経て9月11日に東京で行われた全国大会で、モーツァルトの「アレルヤ」と難曲と言われるロッティの「美しい唇よ、お前は言ったのだ」を披露。同部門中学生の部の参加者20人のうち、1―2位なしの3位に、岡山市の中学3年生と共に選ばれた。実質1位の結果に久乃さんは「信じられなかった。イタリア語の発音が難しく、先生から注意されたことを守るよう心掛けた。緊張したが、本番も楽しく歌えたので良かった」と語った。
高校受験を控えるが今後の進路は未定で、音楽にこだわらず、理数系の勉強もしたいと話す久乃さん。「それでも歌が大好きだし、音楽はずっと続けていくと思う」と話し、母の浩子さんも「本人が好きなことを頑張ってもらえれば」と続けた。
久乃さんは今後、11月28日(日)に荘銀タクト鶴岡で開かれる「第19回バウムクーヘンオータムコンサート」に出演するという。