2021年(令和3年) 10月27日(水)付紙面より
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鶴岡市の庄内農業高校(加藤千恵校長、生徒149人)の女子生徒が、58年前から同校で作り続けている乳酸飲料「ニューピス」をリメークした。今月29日に行われる学校創立120周年の記念式典で「庄農伝統の乳酸飲料」を来賓に進呈する。
「ニューピス」の加工実習は、1963(昭和38)年、庄農に赴任した斎藤実教諭(庄内町在住)が、生徒たちに生産・加工・販売を一貫して学ばせるために取り入れた。当時は校内で乳牛を飼育。牛の乳を乳酸飲料に仕上げて学校祭などで販売したという。
昨年の3年生4人が「ニューピスはどのように誕生したのか」を課題に歴史的な背景を調べた。それを引き継いだのが食品科学科3年生の押井穂果(ほのか)さんと白畑愛羅(あいら)さん。「アレンジしたニューピスを作ろう」と今年4月から加工を始めた。原料は脱脂粉乳、砂糖、乳酸、香料を使用。水に脱脂粉乳を溶かし、熱しながら殺菌するという作業を行った。
「山形で栽培されているフルーツの味にリニューアルしたニューピスにするのを一つのテーマにした」(2人)とラ・フランスやデラウエアなど6種類の香料を用意。さまざまな香料の種類を組み合わせたり、分量を変える作業を繰り返した。みんなから喜ばれる味にするため、試飲会とアンケートを取って率直な感想も求めた。
右往左往する中でようやく先月に入りマスカットとサクランボを香料にすることを決め、分量を調整。アンケートの中にあった「すっきりとした味わい」に近づけた。
押井さんは「頭の中で『ああでもない、こうでもない』とフレーバー(香料)の組み合わせと分量の調整が難しかった。何とか式典前に間に合って良かった」、白畑さんは「父親にも試飲してもらって感想を聞いたりした。出来栄えはまずまず」と笑顔をみせた。
「新ニューピス」は現在、220本(1本850ミリリットル・6カ月間保存可能)を作り大型の冷蔵庫に保存。記念式典で来賓と全校生徒に記念品として渡す。残った本数にもよるが藤島地域の産直施設「たわらや」で販売することも検討している。
2021年(令和3年) 10月27日(水)付紙面より
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国産生ハムの試食イベント「第5回国産生ハムフェスティバル」が24日、鶴岡市末広町のつるおか食文化市場FOODEVERで開かれ、訪れた人が全国14工房の自慢の生ハムを堪能した。
全国の生ハム生産者でつくる「国産生ハム普及協会」(野崎美江会長)では、国産豚の骨付きもも肉を天然の塩のみで1年以上熟成させたものを、国産長期熟成生ハム(Jクラフト生ハム)と定義している。
同協会は2017年から全国各地でフェスティバルを開き、Jクラフト生ハムの普及を図っている。
今回は同協会に所属する全国14工房が出店。各工房の生ハム職人たちが、骨付きの状態から一口サイズにスライスし、提供した。
地元鶴岡からは東北ハム(帯谷伸一社長)が出店。18年にドイツ農業振興協会の食品競技会で金賞を受賞した、庄内プロシュート「ノービレ」を提供した。庄内の気候下で18カ月熟成させ、爽やかな香りが特長。試食した人からは「風味が良くとてもおいしかった」などと好評だった。
来年の生ハムフェスティバルも鶴岡で開催予定。