2021年(令和3年) 6月11日(金)付紙面より
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鶴岡市が進める鶴岡公園正面広場整備事業の実施設計がまとまった。本年度から2022年度にかけて2カ年事業で、以前サル舎などがあった鶴ケ岡城の二ノ丸跡に芝生広場や休憩施設などを整備する。8日に市役所で開かれた同公園環境整備懇談会(会長・野堀嘉裕山形大名誉教授、委員15人)で具体的な整備内容が示された。
整備区域は市役所側に面した同公園(面積約12・8ヘクタール)南東側約0・4ヘクタールで、「芝生広場」「休憩施設」「階段状広場」「イベント広場」「歴史案内サイン」などを整備する。
最も面積が広い芝生広場は、江戸時代の鶴ケ岡城があった城址公園としての広場をイメージし、金峯山から切り出して築城に使われ現在も公園内に残る「金峯石」などの自然石を配置したり、築山を設けたりして歴史的資源との調和を図りながら、自由に広々と活用できる広場として整備する。遊具類は設置しない。休憩施設にはあずまやを設けてテーブル、ベンチを設置し、ベビーカーや車いすでも利用できるようにする。
階段状広場はウッドデッキ風に整備し、これと連続するイベント広場はキッチンカーなども乗り入れられるようにし、このエリアの大部分がかつては堀だったことから、水面をイメージさせる舗装を施す。歴史案内サインは、休憩施設と階段状広場の間に再現する土塁の擁壁を活用し、鶴ケ岡城二ノ丸の断面や形状などを説明する案内板を設置。
整備は同公園と市役所の間の県道拡幅工事に合わせて進められ、23年3月の完成を目指す。概算の総事業費は1億5000万円。本年度は造成工事が主になり、各施設の整備は22年度に行う。県道整備に伴い、「高山樗牛碑」は、旧バラ園跡に移設される。
正面広場の整備事業は12年度に策定された同公園整備基本計画に基づくもの。昨年度に市民参加のワークショップを開催するなどして整備内容を詰め▽歴史の形跡が感じ取れる▽日常時もイベント時も活用しやすい▽自由な発想で広々と利用できる▽観光客にも分かりやすい―をコンセプトに設計をまとめた。
市は整備後の正面広場の新しい名称について、公募を軸に検討する考えを示している。
2021年(令和3年) 6月11日(金)付紙面より
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庄内産アンデスメロンが地元市場に出回るようになり10日、三川町の公設庄内青果物地方卸売市場の丸果庄内青果(佐藤玲子社長)で初競りが行われた。5月の日照不足の影響で小玉傾向だが、コロナ禍の影響を受ける生産者らを励ましたいと、3L4玉1ケースが5万円という破格の高値で競り落とされた。
この日入荷したのは、三川町成田新田の成沢秀雄さん(71)のハウス物の約20ケース(1ケース約5キロ)。成沢さんによると、5月の日照不足の影響で玉伸びが抑えられ小玉傾向だが、今月の好天で盛り返し、糖度は16―17度と高く、甘味は十分という。
この日午前7時半から行われた初競りには地元の青果店の買受人らが詰め掛け、次々に競り落とした。1ケース5万円と丸果としては最高値で競り落とした遊佐町菅里の「鈴木青果」の鈴木孝三郎会長(75)は「サクランボが霜などで駄目なので、メロンで盛り返したい。コロナで飲食店などの需要が減り、生産者に頑張ってほしいという思いも込めた」と話した。
丸果の飯野崇果実部統括部長によると、今年の庄内産メロンは全般的に小玉傾向ながら、糖度は高い。生育は例年より3日から1週間ほど早く進んでいる。ハウス物は今月末がピーク、その後、露地物も出て、来月いっぱいまで出荷は続く。