2021年(令和3年) 7月20日(火)付紙面より
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鶴岡地区歯科医師会(毛呂光一会長)の歯科医師が18日、鶴岡市立荘内病院でコロナワクチン接種の実地研修を行った。
普段は歯の治療で注射器を使用しているが、コロナワクチンそのものの取り扱いや注意点を確認し、集団接種の際、すみやかに対応できるよう実施した。
この日は同会に加盟する歯科医師24人が参加。荘内病院の看護師を講師にワクチン接種の座学を受けた後、ダミー人形を使って参加者一人ずつ接種の仕方を確かめた。
ワクチンのバイアル(容器)や注射器は、ほぼ同じものを使用。看護師から「薬液を0・3ミリリットル採取し、エアは抜き取って」「注射を受ける人の緊張を和らげることが大切」「接種後、腕や指先にしびれはないか、必ず声掛けをして下さい」などの注意点を受けていた。
毛呂会長は「集団接種の時、(行政から)要請があれば歯科医師会として、すぐ対応できるようにしたい。一日も早いコロナの収束を願い、地域住民の役に立てれば」と話していた。
2021年(令和3年) 7月20日(火)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡南高校(坂尾聡校長、生徒589人)で21、22日、学校祭「南高祭」が開かれる。2024年度に鶴岡北高と統合することやコロナ禍を踏まえ、「地域」や「学校」をテーマに掲げ、校舎のジオラマや市内のお店紹介のCM動画制作など、足元を見つめ直す活動に主体的に取り組んでいるもので、生徒たちは「やりがいがある」など手応えを感じている。
同校では学校祭と体育祭を毎年、交互に開いている。24年度には鶴岡北高と統合して中高一貫校になり、23年度からは校舎改修に入るため、現校舎での学校祭は今年が最後だ。
そうした中、これまでの学校祭で多くのクラスが実施してきた飲食関係の模擬店は、新型コロナの影響で中止。5月の実行委員会で代替策として地域貢献を兼ね、飲食店に弁当を注文する案が浮上。それを機に「コロナ禍だからこそできる学校祭を」とアイデアを膨らませ、テーマに「鶴岡の良さを知り、外に発信する」などを設定。実行委が生徒会と連携し、主に4つのプロジェクトを進めている。
このうち手彫りアートは、「山河の姿…」で始まる校歌と、「鳳嶺月峯(ほうれいげっぽう)…」で始まる応援歌の2曲の歌詞を木製パネルにするもの。小林怜奈実行委員長(18)=3年=らが10センチ四方の板に墨で1文字ずつ書き、全校生徒に配布。彫刻刀で文字を浮き彫りにし、各曲縦2メートル、横2・5メートルの台枠に貼り付ける。板は計約800枚。学校祭で体育館に飾る。
校舎のジオラマは、生徒の有志15人が立面図に基づき、縮尺100分の1で発泡素材を切り、壁や屋根などを組み立てている。
弁当は、市内の飲食店6店に依頼して1食500円のメニューを8種考えてもらい、全校生徒から注文を取った。教職員分を合わせ2日間で約1240食(約62万円分)を調達する。
店のCMは、生徒会(保坂祥会長=3年)執行部23人が鶴岡商工会議所などを通じて紹介してもらった11店舗を取材し、各店の特長などを数分程度の動画にまとめた。学校祭で上映するほか、後に動画投稿サイトにアップし、鶴岡の魅力を発信する。
弁当担当の村上奏さん(18)=3年=は「コロナで沈む地元経済の活性化に貢献できるのがうれしい」、ジオラマメンバーの三浦泰智さん(16)=2年=は「大変だが、少しずつ形になると達成感がある」、同リーダーの石井響さん(17)=3年=は「なくなる校舎を後輩たちに見てもらえるよう、良いものを完成させたい」、CM担当の百瀬寧々さん(17)=2年=は「商店街の人と関わることはなかったが、みんな良い人ばかりだった」、佐々木乃慧さん(16)=2年=は「鶴岡にこんな店があるとか、こんな商品を売っているとか、知らないことをたくさん知れた」とそれぞれ手応えを感じている様子。
小林実行委員長は「コロナ禍だからこそ、新しいことに挑戦できた。一から作るのは大変だったが、やりがいがあった。こういうことが新しい伝統になっていくのかも」と話した。
生徒会担当の百瀬美奈子教諭は「地域に出ると、やりたいことに幅が出るなど生徒にとっても良さがある。鶴岡の良さを感じてから卒業することで将来、戻ってくる生徒も増えるのでは」と話した。