2022年(令和4年) 1月14日(金)付紙面より
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旧庄内藩主酒井家入部400年の節目を迎えた今年、「荘内藩ブランド」の展開が本格化した。庄内地域を中心にした企業連携による取り組みで、その第1弾となる「だだちゃ豆饅頭(まんじゅう)」と「麦きり」の2つの商品の販売が今月8日から、鶴岡市の致道博物館売店で始まった。酒井家19代で販売会社・株式会社荘内藩社長の酒井忠順さんは「庄内の歴史と物語のヒストリーとストーリーを加えたブランド展開をしていきたい」と話している。
地域の歴史・文化的資源の活用を進める一般社団法人荘内酒井歴史文化振興会の会員企業を核に、庄内地域にちなんだ商品やサービスの企画・開発と販売に取り組み、「荘内藩」のブランドを県内外に発信していく。酒井家の家紋と「荘内藩」の商標登録は、酒井さんが10年ほど前に取得している。
だだちゃ豆饅頭は、達商(鶴岡市)が製造した。鶴岡特産のだだちゃ豆を使い、独特の深みのある甘さと濃厚な味わいの薄皮まんじゅうとした。麦きりは、松田製麺所(同市)の製品で、鶴岡の伝統産業のシルクにちなんで絹タンパク質を練り込み、つややかで滑らかな口当たりに仕上げた半生麺。
パッケージにはいずれも酒井家の家紋と「荘内藩」のロゴが入り、だだちゃ豆饅頭には庄内藩の歴史、麦きりには明治維新後の松ケ岡開墾を起点にした絹産業を基にした日本遺産「サムライゆかりのシルク」のストーリーを伝える説明文を付けた。
荘内藩ブランド展開について、同振興会代表理事も務める酒井さんは「振興会の会員を増やしながら100年後の入部500年の時代にも残る商品の企画・開発を進めていきたい」と話している。だだちゃ豆饅頭1箱(6個入り)756円、麦きり1袋(300グラム入り)540円。問い合わせは株式会社荘内藩=電0235(33)8901=へ。
2022年(令和4年) 1月14日(金)付紙面より
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鳥海山の山容を立体的に模したご飯に風味豊かなルーを合わせ、遊佐町特産のパプリカなどをトッピングして仕上げる「遊佐カレー」のご飯を、簡単きれいに盛り付けることができる「鳥海山型ライス型」を県立酒田光陵高(藤田雅彦校長)電気電子科の生徒が約1年3カ月かけて完成させ12日、JR遊佐駅などが入る「ゆざっとプラザ」で報告会を開いた。
遊佐カレーは、同町と酒田市、秋田県にかほ市、由利本荘市で構成する鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会(会長・市川雄次にかほ市長)の認定商品の一つ。ご飯を鳥海山の形にしているが、手で成形するため特にイベントなど数多く提供する場合は時間がかかり大変だった。
そこで、ライス型があれば盛り付け作業の負担軽減につながるのではと2020年9月、同協議会が同校に製作を打診。同科の課題研究として取り上げることになり製作が始まった。型の素材選定などが難しく、約40個の試作品を経て昨年末、熱した硬化塩化ビニール板を真空成型機に入れ、3Dプリンターで作った鳥海山型に押し付けることで、目標としていた軽くて丈夫なライス型が完成した。
この日は、昨春の卒業生から課題を受け継いだ生徒5人のうち4人が同プラザを訪れ、製作過程や苦労したことなどを説明。時田博機町長は「鳥海山・飛島ジオパークを発信できるパーツが増えた」と喜んだ。続いて同プラザ1階の「遊佐カレー」本店で盛り付け作業が実演され、東西2つのピークを持つ鳥海山特有の山容が皿の中に再現された。周りにルーを注ぎさまざまな野菜をトッピングして「遊佐カレー」が出来上がり、関係者全員で試食した。
同協議会では、このライス型を広く貸し出し、各種イベントなどで利用してもらうことで同ジオパークのPRにつなげたいとしている。