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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 4月11日(火)付紙面より

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県議選 選挙戦を振り返り

 9日に投開票が行われた県議選。庄内地域で選挙戦となった鶴岡市区(定数5)、酒田市・飽海郡区(定数5)は10議席をめぐり13人が争った結果、現職6人、前職1人、新人3人が当選した。両選挙区の戦いを振り返る。 (敬称略)

鶴岡市区 わずか33票差の攻防 非自民系3議席死守

 現職3人に新人3人が挑み、2019年の前回選に続き1人超過の少数激戦となった鶴岡市区は、ともに自民新人の佐藤正胤、石塚慶が上位当選を果たした。現職組は新人候補の追い上げと地域的な勢力図の変化もあって難しい選挙を強いられたが、いずれも連合山形の推薦を受けた今野美奈子、高橋淳、共産の関徹の3人とも当選。自民新人の菅原一浩が33票のわずかな差で涙をのんだ。

 政権の与野党で見ると、現職組が不在の戦いで「3議席奪還」を掲げた自民が2議席にとどまり、非自民系が3議席を死守。自民3新人の得票数は現職3人の得票数を約2600票上回ったものの、選挙結果は、早期解散もささやかれる次期衆院選、2年半後の次期鶴岡市長選にも少なからず影響を及ぼしそうだ。

 佐藤は昨年12月に鶴岡市職員を退職して出馬を表明し、元県議で父の故佐藤正光の支援者を核に選対を組織。地元櫛引地域を中心に旧東田川郡で保守層をまとめ、父の地盤だった旧市内と旧温海町でも支持を広げた。元県議の阿部信矢の一部支持層からも支援を受け、唯一1万票の大台に乗せ、初陣を飾った。

 市議2期を務めた石塚は、市議時代の後援会組織を中心に地元三瀬地区をはじめ沿岸部から農村部と幅広い支持を得た。40代の若さを強調し、子育て世代など全市的に若者層や無党派層へと支持が広がり、票を上積み。9800票で上位当選。

 今野は前回に続き唯一の女性候補となり、街頭演説中心の草の根の選挙で「女性の声を県政に届ける」と訴え、全域へ浸透。市議時代からの後援会組織と支持者に、市長皆川治の後援会関係者らの支援が加わり、前回を400票余り上回って再選を決めた。

 藤島地域が地盤の高橋は、同じ旧東田川郡から新人候補が出馬したことに警戒感を強めた。出身母体のJA庄内たがわが積極的に動き、連合山形の労組の支援で市街地の票を掘り起こし、前回より1200票ほど減らしたものの、8000票台を得て再選を果たした。

 3選を目指した関は、地盤とする地域が重なる新人候補の出馬もあり、当初から危機感を強めて選挙戦に臨んだ。党の市議4人の支援、国会議員の来援で浮動票に働き掛け、終盤の追い上げもあり、前回選より500票ほど減らしたものの、滑り込みで当選した。

 市議3期、前議長の菅原は、勇退する志田英紀が地盤とした市街地を重点に選挙運動を展開。票の動きが読み切れない選挙戦で、他候補が市街地に攻勢をかけたあおりを受け、7431票を得たものの33票の僅差で敗れた。

酒田市・飽海郡区 市中心部と川南で激戦 新人2人食い込み及ばず

 現職3人と前職1人、新人3人の計7人が5議席を争った。候補者がいない遊佐町や、複数候補が立った酒田市中心部や川南地区を中心に票を奪い合う激戦となり結果、前回に引き続き無所属前職の阿部ひとみがトップ当選を果たし、立民現職の石黒覚、無所属新人の江口暢子、自民現職の梶原宗明、同じく森田廣が当選。無所属の新人2人が涙をのんだ。

 阿部は地盤とする新堀や広野をはじめ、前回も強さを発揮した市北東部、遊佐町を含む旧飽海郡で確実に票を積み上げた。一昨年10月に行われた衆院選出馬のため県議を1期目途中で辞職したこともあり、「各種会合はおわび行脚。全ておわびから始まった」と本人が語るように当初は厳しい戦いを予想していたが、知名度を生かして幅広い支持を集め、ふたを開けてみれば他を寄せ付けない圧勝。「禊(みそぎ)」が済んだ形となった。

 立憲民主党県連代表を務める石黒は酒田市平田地域を地盤に、連合を中心にした労組票に積み上げて支持を広げ、確実に4選を果たした。中心部や川南など票を奪い合った他候補と比較し票を減らす要素が少なく、「優位」という大方の見方をしっかり現実のものにした。

 市議選では他を圧倒する票を得てきた江口は、所属していた市議会労組系会派・市政研究会が全面的にバックアップ。遊佐町で阿部に次いで票を獲得したほか、市街地では女性・若者層を中心に広く支持を集め、初陣を飾った。

 自民現職の梶原は、酒田市北平田、中平田の農村部を地盤に衆院議員・加藤鮎子や新政会所属の酒田市議、建設企業、土地改良区などの関係者の支援を受けて安定した戦いを繰り広げて再選を果たした。

 同じく自民現職の森田廣は酒田市中心部が地盤。衆院議員・加藤、新政会の酒田市議、企業関係者らの支援で地盤を守り、新人の食い込みを最小限に食い止めた。投票率の低さも組織票の優位さにつながった。

 無所属新人で川南地区が地盤の田中斉は、同じく川南地区を地盤とする阿部の集票力の前に及ばなかった。同じく無所属新人の今井和彦は広がりが限定的だった。

 前回(2019年)に比べ、投票率は1・30ポイント低下した。比較的僅差の中での勝負となり、強力な地盤や組織票、固定票を持つ候補が強さを発揮し、それらを持たない新人が涙をのむ形となった。



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