2024年(令和6年) 9月26日(木)付紙面より
ツイート
昨年10月に開催された「日本ご当地ラーメン総選挙」で初代王者に輝いた酒田のラーメンを考える会(酒田市、会長・齋藤直満月代表)の「酒田のラーメン」。「ディフェンディングチャンピオン」として来月2日(水)から1週間、東京・大久保公園で開かれる第2回総選挙に挑むのを前に24日夕、同会メンバーが酒田市役所を訪問し、矢口明子市長に連覇への意気込みを語った。
酒田のラーメンは、1926(大正15)年に中国人が伝えた「支那そば」が起こりとされ、煮干しやコンブ、トビウオの焼き干しなどでだしを取った、あっさりとしながらもこくのあるしょうゆ味が特長。スープとよくなじんで伸びにくい自家製麺、具材として添えられる極薄のワンタンも要素になっている。2023年に文化庁「100年フード」に認定された。
ご当地ラーメンは、その土地独自の文化や歴史、社会的背景など複合的事象で誕生した、特色あるラーメンのこと。日本ラーメン協会(東京)などは昨年、地域活性化の起爆剤、素晴らしい観光資源としての「ご当地ラーメン」に光を当て、広くアピールしようと初めて「―総選挙」を企画。実食した来場者の投票、会員制交流サイトの拡散数など総合的に評価した結果、酒田のラーメンが初代王者に輝いた。
考える会は昨年の総選挙以降、各種イベント出店の際に課題を出し合って随時、改善。麺は地元産小麦の割合を増やして香りを高めたほか、チャーシューにもよりこだわった。
第2回総選挙は、予選を勝ち抜いた甲州地どりラーメン(山梨県)、函館ラーメン(北海道)、白河ラーメン(福島県)など9品と、シードの酒田のラーメンがエントリー。来場者の投票と満足度で日本一を競う。
この日は考える会メンバー6人が市役所を訪問。矢口市長は「昨年に引き続き市を挙げてPRに協力するほか、今年は『ラーメン県そば王国やまがた』を掲げている県の応援も期待できる。応援団は増えているのでぜひ頑張って」と激励した。
これを受けてメンバーの一人で上部組織・市麺類食堂組合長を務める石垣洋平さん(56)=麺工房さらしな店主=は「採点方式が変わって恐怖を感じるが、連覇して酒田に元気を届けたい」と抱負を語った。
一方、市と酒田商工会議所(加藤聡会頭)、考える会制定「酒田のラーメンの日」(10月9日)のイベントとして、同10(木)―15日(火)には同市のみなと市場「港の月」で第2回総選挙出品ラーメンを提供する。