2024年(令和6年) 9月27日(金)付紙面より
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航空機の不法奪取事件(ハイジャック)を想定した訓練が25日、酒田市の庄内空港で行われ、県や警察、全日空など関係機関が有事の際の連携を確認した。
ハイジャック発生時における乗客の安全確保や速やかな事件解決に向け、関係機関相互の連絡、通報、連携などの態勢を確立しようと、庄内空港保安対策協議会(会長・土門敦彦県庄内空港事務所長)が毎年この時期に開催している。
この日の訓練には対策協を構成する県や県警察本部、全日本空輸など20機関から76人が参加。「午後2時ごろ出発準備中の庄内発羽田行きの便に凶器を持った男が侵入しハイジャックした。機内清掃などを行っていた客室乗務員やパイロットを人質に取り、現金100万ドルと香港への出国を要求している」という想定で訓練を開始した。
訓練では第一報を受けた空港事務所職員が関係機関に緊急連絡した後、土門所長を本部長とする合同対策本部を事務所内に設置。速やかに空港内の封鎖や各機関との連携、空港内にいる利用客の避難誘導方法などを確認した。
通報を受け駆け付けた警察官が犯人の説得に当たり、応じた犯人が人質と共に降りてきたところで身柄を確保した。訓練は終始緊迫した様子で行われ、参加者は有事に備え、真剣な表情で取り組んでいた。
土門所長は「実際に発生した場合は人命の安全確保を第一に、関係機関との連携が求められる。多様な訓練を積み重ね、より高い安全管理意識を職員間で共有できたら」と話した。