2024年(令和6年) 9月28日(土)付紙面より
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酒田市は25日、市が制定する本年度「新田産業奨励賞」を加藤渉氏(北今町)、酒田酒造(日吉町二丁目、佐藤正一社長)、酒田米菓(両羽町、佐藤栄司社長)、遠田林産(上青沢、遠田勝久社長)の1個人3企業に贈呈すると発表した。授賞式は11月27日(水)午後1時半から同市のガーデンパレスみずほで行われる。
市名誉市民で平田牧場グループ会長の新田嘉一氏(90)=楢橋=による多額の寄付をもとに基金を造成し1990年に創設、先進的な取り組みで地域産業の振興に貢献し、他の模範となる市内の企業・団体・個人を顕彰している。新市誕生後の2006年、旧平田町で行われていた同様の制度を合わせ一本化した。
加藤氏は、木製品製造を手掛ける加藤木工の4代目。酒田の伝統工芸品「船箪笥(だんす)」の再興に向けて自ら指物の技を磨くとともに、装飾金具や漆塗りの技術伝承に向けた活動を展開している。パリ、ロンドンでも船箪笥を展示するなど認知度向上に努めている。
酒田酒造は、酒田飽海地域の5蔵が合併し1947年に設立。佐藤社長自ら杜氏(とうじ)を務め、品質にこだわった酒造りに徹し全国新酒鑑評会での金賞受賞は20回余を数える。今年6月に「上喜元酒田早生」を発表、市の新たな魅力発信に貢献する商品になっている。
酒田米菓は1951年の創業。2015年に観光工場「オランダせんべいFACTORY」を開設し、市の観光スポットとして交流人口の拡大に寄与。新商品開発、新規事業立ち上げで、販路拡大だけでなく市の知名度向上、魅力発信も図っている。
遠田林産は1977年に製薪炭業として創業、90年に法人化し素材生産業に参入した。県内でいち早く高性能機械を導入するなど林業の効率化を推めて競争力向上を図り、全国でも有数の事業規模を誇る。林業の将来を見据えた環境整備、人材育成も進めている。