2022年(令和4年) 4月1日(金)付紙面より
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地方都市で暮らす子育て世帯の収入増加を図り、子どもの教育環境の改善につなげようと、鶴岡市の街づくり会社ヤマガタデザイン(山中大介社長)は30日、プログラミング教育事業のキラメックス(東京、樋口隆広社長)と街づくり連携協定を締結した。未成年の子どもがいる県内の女性を対象に、自宅でできる割安なITスキル習得のオンラインプログラムを設け、デジタル関連業務の受託までを一貫して支援する。
プログラムの名称は「SORAI TechAcademy(STA、ソライテックアカデミー)」。受講者は約4カ月間、講師となる現役エンジニアのサポートを受けながらウェブデザインやプログラミングなどをオンラインで学ぶ。その後の実力診断テストに合格すると、関連業務を請け負うことができ、報酬が得られる。
仕事に直結したITスキルの習得を目指すもので、月額受講料は1万1000円(教材費、講師料込み)。キラメックスによると、通常講習料の5分の1程度という。同プログラムに賛同した応援企業第1号のTDKデザイン(東京)の支援もあり、低価格講習が実現した。業務はTDKデザインが発注するほか、ヤマガタデザインが窓口となって応援企業を拡大していく。受講者が自分で仕事を探さなくてもよく、請け負った業務についても現役エンジニアがサポートする。すべてがオンラインで行われるため、在宅で好きな時間に講習、仕事ができる。受講対象は段階的に学生にも広げる。
山中、樋口両社長がこの日、鶴岡市先端研究産業支援センターで会見し、協業によるプログラムの内容を発表した。山中社長は「未来を担う子どもたちへの投資こそがまちづくりでは何よりも重要。付加価値の高い仕事が地方でできるようにし、教育にお金が回るようにしたい」、樋口社長は「未経験の人でも仕事につなげられるようなITスキルの習得をサポートする。デジタル化に対応する人材はまだまだ少なく、学んだスキルをリモートワークに生かせる仕組みを構築し、取り組みをモデルケースにしたい」と述べた。
定員40人で第1期生を募集。4月9日(土)にオンライン説明会を開き、同22日(金)まで申し込みを受け付ける。5月に受講開始予定。
問い合わせなどは専用のホームページ=https://www.sorai.yamagata-design.com/sta=へ。
2022年(令和4年) 4月1日(金)付紙面より
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鶴岡市の出羽三山神社と善寳寺、荘内神社でつくる「つるおか三寺社祈りプロジェクト」(担当・石原和香子荘内神社権禰宜)は、爽やかな香りがする「御朱印」を作った。神社と寺院が宗教の垣根を越えて手を結び香りがする御朱印を仕上げたのは全国で初めて。1日から3寺社で頒布を始める。
コロナ禍で世界情勢が不安定な中、「祈りの心」を発信しようと一昨年、山の神・出羽三山神社と海の神・善寳寺、城下の神・荘内神社が互いに手を組んだ。その活動の一つとして2020年に3寺社共通の御朱印1500枚を作り、コロナ禍で参拝できない全国の人に郵送した。
今回は西川町で400年の歴史を持つ手すきの和紙「月山和紙」に3寺社の文字を揮ごう。香りは愛知県のアロマセラピストに依頼し、山の豊かな香り(出羽三山神社)、海の爽やかな香り(善寳寺)、花の優しい香り(荘内神社)をそれぞれイメージして調合してもらった。香り付けは御朱印をもらうときにスプレーで吹きかける。クリアファイルに入れると約2週間は持つという。
鶴岡市馬場町の荘内神社で30日に行われた発表会には、3寺社の関係者や月山和紙の職人が出席。御朱印の香りを嗅ぎ「とても心が落ち着く」「それぞれ香りが違い、参拝したような気持ちにもなる」と感想を語った。
石原権禰宜は「お香や匂い袋のお守りをヒントに香りがする御朱印を考えてみた。3寺社それぞれの香りを楽しみながら参拝してもらえれば」と話していた。
御朱印頒布は2000円。参拝する順番は自由。3寺社ごとに香りを吹き付ける。