2024年(令和6年) 8月8日(木)付紙面より
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先月の記録的な大雨に関し、国土交通省水管理・国土保全局防災課の猪子敬之介災害査定官が6、7の両日、甚大な被害が出た酒田市大沢地区で災害緊急調査を実施、専門的見地から応急復旧工法、本格的な復旧に向けた技術助言を行った。猪子査定官は「被害が出たメカニズムをしっかりと把握し、危険の除去を図って」とアドバイスした。
災害緊急調査は大規模災害発生時、国交省が災害査定官を現地に派遣し、道路、河川、水道など公共土木施設に対する応急復旧、本格復旧に係る方針や工法などに関する技術的助言を行う制度。猪子査定官は初日午後、八幡保育園付近の桜橋から大蕨集落の大平沢橋まで、氾濫した荒瀬川沿いの橋梁(きょうりょう)を中心に6カ所を調査した。
2日目は発災後、初の本格的な雨降りとなる中、大沢コミュニティセンター付近の君畑橋から、最も奥の北青沢集落まで計5カ所で破損した橋脚や護岸、陥没した道路など確認。県と市の担当者から状況を聞き、「次の出水期まで急いで道路・河川の土砂・流木の除去を。一日でも早く地域の人が使えるよう仮橋の設置も検討してほしい」などとアドバイスした。
記者団の取材に対し、猪子査定官は「まずは被災した人たちにお見舞い申し上げる。断続的な護岸の破損、橋梁の浸食が今回の災害の特徴といえる。本格復旧には時間を有する。仮の工事も含め助言していく」と述べ、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の有効活用を説いた。