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2007年(平成19年) 3月30日(金)付紙面より

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4月1日から供用 西荒瀬地区農業集落排水 処理場完成し通水式

 酒田市が西荒瀬地区で進めている農業集落排水事業で、処理場がこのほど同市藤塚に完成。来月からの供用開始を前に28日、同処理場内で通水式が行われた。

 この事業は、同市が2001年から進めているもの。計画面積は同地区(穂積、藤塚、豊里、宮海)の約61ヘクタールで、管路延長は07年度実施見込みも含め14・2キロ。供用範囲は461戸、計画処理人口は1750人。計画汚水量は1日平均473立方メートル、1時間最大で57立方メートル。4月1日から供用がスタートする。

 処理施設は、同市藤塚の県道吹浦酒田線西側に建設。鉄筋コンクリート造りで、建築面積は525平方メートル。処理量の安定や時間の短縮が期待できる「連続流入間欠ばっ気方式」の処理槽を備えた。総事業費は07年度実施見込みも含め約14億8000万円。

 通水式には同市や西荒瀬地区住民、工事関係者が出席。神事に続き同市の加藤勝記収入役ら関係者が通水ボタンを押し完成を祝った。
          

同市藤塚に完成した西荒瀬地区農業集落排水事業の処理場
同市藤塚に完成した西荒瀬地区農業集落排水事業の処理場


2007年(平成19年) 3月30日(金)付紙面より

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台車に載った「傘福」 酒田・旧家の蔵で見つかる

 酒田市内の旧家の蔵から、幕末ごろに作られたとみられる「傘福」のセットが見つかった。台車に載った珍しいもので、市文化財保護審議委員で古美術に詳しい工藤幸治さん(同市若浜町)は「山王祭り(現酒田まつり)の山車のミニチュアで、傘福の起源の論議に一石を投じるのでは」とみている。

 この傘福が見つかったのは、江戸・元禄年間(1688―1703年)から荒物屋を営み10代目という同市中町二丁目の雑貨商、小野太右衛門さん(69)方。1995年ごろ、自宅敷地内の蔵にそれらしいものがあることは分かっていたが、あまり気にとめていなかった。しかし、傘福が地元の伝統文化として注目される中、工藤さんにこのほど調べてもらったところ、貴重なものであることが分かった。

 傘福は、木箱に入れられていた。和傘2本と台車、下げ物約40本(約150個)、傘の縁に付ける飾り布、台車の周囲に巻く飾り幕などのセットだった。

 和傘は直径約70センチ、同65センチの2本で、ともに紫色の紙が張られていた。台車は約40センチ四方、高さ約30センチで、下に木の車輪が4つ付いている。下げ物はツルやカメ、サンゴ、蔵のかぎ、鳥打帽、隠れみの、お手玉、鶏など、長寿や子孫繁栄、商売繁盛を象徴する縁起物で、1本に3―5個付いている。

 台車の中央に立てた棒に大小の傘を2段で取り付け、さらに傘に下げ物を付けて飾っていたとみられる。組み立てると、高さ2メートル近くになる模様。
 台車の飾り幕に小野家の家紋「三つ柏」や屋号の「やまやま太」などとともに、「明治八歳(年)初春」とあることや、布の時代考証などから、工藤さんは「幕末ごろに作られた」とみる。

 傘福は庄内各地の寺社に奉納されたものが多く、安産や子供の健やかな成長への願いが込められていると言われている。大半は傘と下げ物だけで、台座に載ったものは昭和20年代ごろに鶴岡の風間家が酒田の本間家に贈った2基(本間美術館所蔵)が残っている程度で、車輪は付いていない。

 台車に載った傘福に関して、工藤さんは、江戸後期の画家・五十嵐雲嶺が嘉永4(1851)年に描いた「酒田山王例祭図屏風」に同様の山車が描かれていることや、本間家が明和2(1765)年に作った亀笠鉾も、基本的な造りは傘をかぶった山車で、当初は「かさほこ」と呼ばれていたことなどを指摘。

 その上で、工藤さんは「小野家の傘福は山王祭りの山車をかたどったもの。屏風に描かれた山車が、ミニチュアとはいえ、見つかったのは初めてでは。下げ物の布は江戸中期のものなど風間家のものより古く、傘福自体も古いと思う。『酒田の傘福の原型』に近いものでは」とみる。

 小野さんは「昭和初期ごろまでは飾っていたようだ。貴重なものと知ってびっくり。きれいに修復して多くの人に見てもらいたい」と話している。
          

山車のミニチュアとみられる傘福について説明する(左から)工藤さん、小野さん、小野さんの妻・よし子さん
山車のミニチュアとみられる傘福について説明する(左から)工藤さん、小野さん、小野さんの妻・よし子さん



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