2019年(令和1年) 12月10日(火)付紙面より
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木に触れて、いっぱい遊んでね―。東北芸術工科大デザイン工学部建築・環境デザイン学科の学生20人が、鶴岡市苗津町の市中央児童館「ひろっぴあ」の児童遊園に製作していた2つのツリーハウスが完成し7日、お披露目会が行われた。同児童館に併設する学童保育所の“卒業生”で鶴岡市出身の同学科4年、庄司桃子さん(21)が橋渡し役となり、子どもたちの新たな遊び場が生まれた。
ツリーハウスは児童遊園の2本のケヤキの木に、杉材で組んだ低学年用と高学年用の2基。低学年用は高さ約2メートルに柵付きのデッキ(2・7メートル四方)を設け、はしごのほかにロープやボルダリング用グリップを使って登ることができる。暑い季節は日よけを枝に渡して、心地よい場所にする。高学年用は高さ約3メートルに屋根を掛けたやぐら風の外観(床2メートル四方)で、城下町・鶴岡の城をイメージしデザイン。ハウスの中にケヤキの幹や枝が通る。中ほどに踊り場を設け、はしごを渡している。学生たちが週末や休日に通い、3カ月ほどかけて完成させた。また、安全に使ってもらうためのルールも考え、掲示した。
朝暘二小卒の庄司さんは小学生の6年間、ひろっぴあの学童保育所に通った。「みんなと大きな木製アスレチックでいっぱい遊んだ楽しい思い出がある。その遊具がなくなったことを知っていたので、木の温もりがあるツリーハウスがあったら」と、管理運営する市社会福祉協議会に掛け合い、調整役を務めた。「後輩たちが安全面にも配慮したすてきなものを造ってくれた」と、完成したツリーハウスに登り感触を確かめ、「この遊園で遊んだ懐かしい思いがよみがえってきた」と笑みを浮かべた。
お披露目会はツリーハウス製作プロジェクトに参加した学生たちと同学科の山畑信博教授が訪問し、子どもたちを交えて行われた。テープカットや学生たちへの記念品贈呈などが行われ、同プロジェクト代表で3年の長利(おさり)咲代子さん(21)は「2つのツリーハウスにはまだ名前がない。ぜひ子どもたちに付けてもらい、親しんでもらえたら」と子どもたちに呼び掛けていた。
この日、学生たちによってツリーハウスは雪囲いされ、本格的な活用は来春から。早速、ツリーハウスで遊んだという朝暘二小3年の菅原莉緒さん(9)は「突起に手足を掛けて登ったり、ロープで降りたり、楽しかった。春になったらまた遊びたい」と喜んでいた。
同学科の学生たちが中心となった同プロジェクトは2011年にスタート。学生たちが現地調査やツリーハウスの設計、製作、メンテナンスを担い、これまでに県内の白鷹町や西川町、金山町などに設置。今年の鶴岡市で12基目となる。