2019年(令和1年) 12月17日(火)付紙面より
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鶴岡南、鶴岡北高を統合して県立中学校を併設する県内2校目の中高一貫校の設置について考える「庄内中高一貫校(仮称)の未来を語る会」が14日、鶴岡市の出羽庄内国際村で開かれ、市民が期待される教育内容などについて意見を交わした。
県が鶴岡市内に新設する中高一貫校について、市民と情報共有し、県教委に伝える意見を募ろうと、同市教育委員会が主催。学校関係者や保護者ら約50人が出席した。市教委が本年度に視察した中学と高校の施設が離れている佐賀県武雄市の中高一貫校について報告し、2016年4月開校の東根市の県立東桜学館中・高の教育概要を同校の教頭が事例紹介。参加者の質問に対し、東桜学館高の教頭は「超難関大や難関大を目指す生徒たちには、数学と英語の個別指導も実施している」と答えた。
参加者たちによる意見交換は4人前後のグループで話し合いが行われた。地域の歴史文化や産業など地域に根差した教育内容を望む意見が多く、「地域に貢献できる生徒の育成を」「県外に進学しても戻ってきてもらえるように」といった要望があった。一方で、世界と鶴岡を結び付ける人材、「スーパーエリートの育成を」といった意見もあった。
広い範囲から生徒が集まることが予想されるため、「通学バスの運行」を求める声も目立ち、中には「酒田飽海地区からの入学者が増えれば、鶴岡田川地区の子どもたちが押し出される」といった声や、「学校名が気になる」といった率直な意見があった。
庄内中高一貫校について県教委は本年度、教育理念や入学定員数、施設整備計画などを検討する教育基本計画策定委員会を設置。来年7月をめどに、基本計画を策定する見通し。開校時期については、現時点では「2024年度以降のできるだけ早い時期」とされており、鶴岡南高を高校、鶴岡北高を中学の校舎とする方針。県教委が示している骨子案では、1学年の学級数は中学が2―3学級、高校が普通科6学級と理数科1学級となっている。