2020年(令和2年) 10月27日(火)付紙面より
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吉村美栄子知事(69)は25日、山形市内で記者会見を開き、任期満了に伴う知事選(来年1月7日告示、同24日投開票)に4選を目指して立候補する意思を表明した。会見で吉村氏は「新型コロナウイルスの感染防止や大きな打撃を受けた県内経済の回復、7月豪雨の復興・復旧など目の前の課題解決を優先してきたが、熟慮を重ねてようやく出馬を決意した」と述べた。次期知事選には自民党県連が擁立した元県議の大内理加氏(57)=山形市=がすでに出馬を表明しており、12年ぶりの選挙戦となりそうだ。
会見で吉村氏は「コロナ禍や7月豪雨の復興・復旧対策を進める中、少しずつ明るい兆しも見えてきた。多くの業界、支持者から『早く表明して』と声も寄せられ、熟慮を重ねて決断した」と説明。公約などは11月中にも公表する予定だ。
記者陣の「これまでの3期でやり残したことは。また次の4年で何を成し遂げたいか」という質問に対し「子育て支援や男女共同参画、製造業におけるものづくりの付加価値を高めること、農林水産業など多くのことに取り組んできたが、どれもまだ道半ばと思う。今後はコロナの予防対策と経済回復を両立しながら、この難局を県民の皆さんと一緒に乗り越えたい。その先に未来があると思う。デジタル化など新しい視点も取り入れつつ、世界を見渡しながらどんな山形にするか、しっかりと考えていきたい」と語った。
会見後、同会場で後援会役員会が開かれた。県内各地の後援会90団体の代表者など約160人が見守る中、吉村氏は今月17日に元参院議員の故・岸宏一氏を墓参した話を出して「生前に電話した際、『(次の知事選に)また出ろ』と言われていた。墓前で手を合わせた時、背中を押されたような気がした」と出馬を決意した経緯を語り、「現職ということもあり、コロナ対策などの公務で動けないこともある。皆さんからは各地域、各業界で県民へ自分の思いを伝えてほしい」と協力を呼び掛けた。
続いて舟山康江、芳賀道也の両参院議員や元県議の阿部信矢氏(鶴岡市)など6人が応援演説。最後に松井愛山形市議の発声でガンバロー三唱を行い、気勢を上げた。
吉村氏は大江町出身、山形西高、お茶の水女子大卒。会社員、行政書士などを経て2009年の知事選で勝利し初当選。現在3期目。県教育委員、県農業農村振興懇話会委員、県入札監視委員など歴任した。