2021年(令和3年) 7月11日(日)付紙面より
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新型コロナウイルスワクチンの国から自治体への供給量が今月に入って減少し始め、庄内地域の自治体では59歳以下の住民の集団接種のスケジュール見直しを迫られるなど混乱が出始めた。国からの要請で接種を急いできた市町の担当者からは「接種できると期待している住民が多いが、ようやく組んだ接種日程を再検討しなければならない」と困惑の声が上がっている。
鶴岡市によると、6月までは要望していたワクチンが、ほぼ供給されていた。7月に入って第1、2週の2週間分の要求数20箱(1箱当たり1170回分)に対して国からの供給数は9箱と約半分、第3、4週については60箱に対し7箱の見込みと10分の1程度に抑えられる。9月にかけて2週間分の供給は7箱程度が続きそうだという。
このため同市は、当初予定していた59歳以下の市民対象の集団接種の実施を当面は見送り、各医療機関での個別接種のみの実施に切り替え対応する。12―59歳の接種券は7月29日に発送し、8月4日までには到着するものの、優先接種以外の一般の接種予約受け付けは到着から1カ月後の9月上旬以降となる見通し。市は「ワクチン供給量が増加しなければ、集団接種は実施できない」とする。
酒田市は、8月1日から10月末までの日程で市平田農村環境改善センター(飛鳥)で、大規模な集団接種実施を予定している。ワクチン供給の見通しがはっきりしないことから、8月第1週は集団接種を予定通り行うが、その後の実施は「現状では厳しい」とし、「予約受け付けの見通しも立てられない」と困惑する。
三川、庄内、遊佐の3町でも集団接種を中心にスケジュールの調整に追われている。庄内の各自治体の担当者からは「国の方針を受け、接種を加速させる調整がようやく整ったばかりなのに」「予約受付日程を記した接種券が印刷し直しとなった。国に振り回されっぱなしだ」「夏休み中に12―15歳の接種を済ませ、2学期を迎えたかったのだが」と嘆きが聞こえる。