2023年(令和5年) 2月24日(金)付紙面より
ツイート
三川町の東郷小学校(海藤陽子校長)の5年生19人が22日、学校実習田を活用し自分たちで育てた米「ひとめぼれ」を酒田市の庄内空港で配布し、そのおいしさを広くアピール。空港内には受け取った利用客の笑顔があふれた。
同校では毎年、地元農家や庄内赤川土地改良区(鶴岡市)の協力で、5年生が総合学習で稲作体験、地域の基幹産業について学びを深めている。本年度は春先の田植え、昨年9月中旬の稲刈りに携わったほか、観察活動を随時展開、同10月の発表会では米に関する創作劇を上演した。
5年担任の海野渚紗教諭によると、学びの中で▽食文化の変化▽農家の後継者不足▽米消費量の減少―など稲作を取り巻く環境が厳しさを増していることを知ったという。「自分たちにできることを」と考え、多くの人からそのおいしさに気付いてもらうため、まずは食べてもらおうと、配布を企画。全日本空輸(ANA)、庄内空港ビルの協力を受け今回、全国各地から人が集まる空港内で実施することにした。
この日は羽田発庄内行きANA395便(午後0時5分着)の到着を前に、児童たちが到着ロビーに集合して配布の準備。米2合とともに、自ら考案した「推しレシピ」が入った袋を140袋用意した。利用客がゲートから出てくると、「おいしい米です」「どうぞ味わってください」と積極的にアピール。受け取った人たちは「ありがとうございます」と笑顔で応じていた。
参加児童の一人、芳賀絢香さん(10)は「推しレシピは『納豆チーズかけごはん』。自分で食べたらおいしかった。学習を通して農家さんの大変さが分かった。世界中に庄内米のおいしさを伝えたい」と話した。「推しレシピ」には受け取った人の出身地、味わいなどを問うアンケートにリンクするQRコードが書いてあり後日、集計し今後の学習に生かすという。