2024年(令和6年) 7月6日(土)付紙面より
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鶴岡市は4日、募集していた市小真木原総合体育館のネーミングライツ(命名権)パートナーに、同市の鶴岡信用金庫(佐藤祐司理事長)が決まり、施設の名称は「つるしんアリーナ小真木原」となったと発表した。8日に市と鶴岡信金が協定書を取り交わす。命名権の契約期間は8月1日から3年間で、3年間の契約金額は360万円。
今年5月に募集し、応募したのは鶴岡信金だけだった。命名権料は同体育館の維持管理経費に充てる。金額については、県内他市の体育館への導入例を参考にした。
小真木原公園内にある小真木原総合体育館は、べにばな国体(1992年)に合わせて91年度に完成し、同国体では相撲競技会場となった。4階建てで、1階に2つの多目的ホール、トレーニングルーム、2階に会議室があり、3階がアリーナ、4階が観覧席となっている。これまでさまざまな室内競技の全国大会や日本リーグなどの大会が開催されたほか、市の環境フェアや大産業まつりなどの大型イベントの会場などとしても利用されている。バレーボールトップリーグに参戦するアランマーレ山形のホームゲームが11月と来年3月に同体育館で開催予定。
市の施設へのネーミングライツ導入は「荘銀タクト鶴岡」「JA鶴岡だだちゃアリーナ」に次いで3例目。
2024年(令和6年) 7月6日(土)付紙面より
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鶴岡市の加茂水産高(小山和彦校長、生徒58人)恒例の「創立記念カッターレース大会」が5日、加茂港内で行われた。生徒たちが息を合わせてオールをこぎ、海上の熱戦を繰り広げた。
同校の創立記念日(7月5日)に合わせて、毎年行われている水産高校ならではの伝統の学校行事。全長約9メートル、幅約2・5メートルのカッターボートに、こぎ手12人と艇長、艇指揮が1人ずつの計14人が乗り込み、途中で折り返す往復600メートルのコースでタイムを競う。今年は1―3年生の4チームと、教職員・同窓会のチームの計5チームが出場し、2艇の対戦形式で1チーム2レースを行い、合計タイムを競った。
この日は、梅雨の晴れ間が広がり、波も穏やかで絶好のレース日和。スタートの合図とともに各艇のこぎ手たちが長さ約4・5メートルのオールを操り、艇指揮の掛け声に合わせてチームワークを発揮。息を合わせて力強くオールをこぎ、しぶきを上げながらカッターを海面に走らせた。
事前に4回の練習を積んで初めてのレースに臨んだ1年の阿部祐磨さん(16)は「力いっぱいこぎ続け、きつかったけど、仲間と一緒に力を合わせて走らせることができて気持ち良かった。先輩相手にいい勝負ができたと思う」と話していた。
2024年(令和6年) 7月6日(土)付紙面より
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水稲日本三大品種「亀の尾」発祥の庄内町で、同町産の米を中心にオリジナル商品の開発やブランドづくりを行う「山形庄内かめこめプロジェクト」(梅木隆一郎代表)を中心に町内事業者の商品をPRする商談会が4日、同町の新産業創造館クラッセで開かれた。町内の8事業者が自慢の品を紹介しながら、首都圏バイヤーらと商談した。
同町では2022年度より、地元の素材を生かした商品開発や観光事業などに取り組む地域商社・四万十ドラマ(本社・高知県四万十町、畦地履正社長)とタッグを組み、同社からノウハウ提供などを受けながら、「田んぼに水を張り続け、美しい田園風景を守っていく」をビジョンに掲げ、町産品のブランド化事業を進めている。
今回は都内の百貨店や飲食店、通販サイトのバイヤーを招き、同町の商品をPRしようと今年初めて企画した。
この日は、バイヤーら5人と、梅木もち屋、イグゼあまるめ、吉祥ファーム、さくら糀屋、やまと桜、マルハチ、いで葉工望、ハナブサ醤油から担当者ら計約30人が参加。すでに販売が開始されている同プロジェクトの「庄内まるもち」、来月から販売開始予定の同町産の米9種をセットにした「お米の食べ比べセット」などのほか、各事業者のブースには計約70点の品が並び、バイヤーは各ブースを回りながら試食や原材料について質問するなど商談を進めていた。
梅木代表は「町内の業者に自分の持っているものを見直し、さらにいいものを作ってもらいたい。今回の商談を機にバイヤーと関係性を深め、全国展開につなげてもらえれば」、三越伊勢丹の阪根尚樹アシスタントバイヤーは「庄内は自然が豊かで、素材は非常に素晴らしい。ただ、それを伝える力はまだ弱い。地道だが、こうした企画を続けることでまずバイヤーの庄内町ファンを増やすこと。どんなにいいものでも知ってもらえなければ売れない」とそれぞれ話していた。
2024年(令和6年) 7月6日(土)付紙面より
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「この日の警察官や消防団員の救助活動はめざましく、胸のあたりまで濁流にひたりながら、年寄りや子どもを肩車、あるいは背負うなどして、お寺や小学校に収容した」―。『鶴岡百年のあゆみ 続・城下町鶴岡』(大瀬欽哉著)の記述である。1921年8月5日、鶴岡市を襲った大雨による洪水の際の救助活動の様子を書いたものだ。
梅雨の季節は長雨がしとしとと降り続く、というのは昔の話のようになってしまった。近年は突然襲ってくる「ゲリラ豪雨」に加え、激しい雨が線状降水帯となって同じ地域に長くとどまり、被害を拡大させている。想像を超える被害の大きさは、地球温暖化による異常気象が大きく影響しているといわれる。
◇ ◇
鶴岡百年のあゆみの記述にもう少し触れる。「5日午後からの大雨で内川の増水が始まり一日市町、三日町、五日町、馬場町、鳥居町の川端通りは浸水が甚だしく、交通が途絶えた。赤川も増水し、伊勢横内上流の堤防が180メートル、三川橋近くの堤防も9メートル決壊して町中が濁流にのまれ、一帯は1メートルもの床上浸水になった。舟で炊き出しを運んだ」などと、水が引くまで4日を要したという。
庄内を流れる河川は護岸による改修で以前に比べて堤防決壊による大きな水害はなくなった。だが、近年のようなゲリラ豪雨は河川改修の想定を超えることもあるかもしれない。山形県は比較的災害が少ないと言われているが、近年は飯豊町や大石田町で大きな水害が発生し、鉄橋が流されたJR米坂線は復旧のめどが立っていない。県内でも短時間に強い雨が降るようになった。激しさを増す自然災害の怖さだ。
庄内は7月から8月にかけて大雨が降るケースが多い。要注意の時期に備え、自治体は洪水ハザードマップを作っている。浸水が予想される地域と水深が示され、緊急避難場所は学校やコミュニティセンターなど。鶴岡市自治振興会連絡協議会は、「避難情報に応じて早期に避難を始め、近隣の人にも促します」とした内容の「早期避難宣言」を申し合わせている。早期避難こそ、まず自分を守ることになる鉄則だと心に刻んでおきたい。
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災害は時と場所を選ばなくなった。鶴岡百年のあゆみの記述にある時代に比べ、家屋の造りは耐震・耐火構造になった。水に対する備えは別物だが、濁流ではなく、ゆっくり水位が上昇するような場合は2階に垂直避難することも呼び掛けられている。それでも、指定の避難場所で大勢でいる方が多様な情報が得られ、心強いこともある。
ハザードマップを読み解き、いざという時取るべき行動のイメージを心に刻んでおく。経験則にとらわれて「今まで何もなかったから」だけは禁句にしなければならない。災害対応は「心の備えこそが大事」であることは、いつの時代も変わらない。
2024年(令和6年) 7月6日(土)付紙面より
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鶴岡市の幼保連携型認定こども園大宝幼稚園(齋藤修園長、園児105人)の園児が5日、JR鶴岡駅の七夕飾りに願い事を書いた短冊を飾り付けた。
同園は地域の中で育ち、輝く子どもの育成を目指し、七夕の頃に鶴岡駅構内に笹竹を設置し、「七夕交流」を続け今年で10年目を迎えた。
この日は年長児26人が駅を訪れ、小島晃一駅長に願い事を込めたお星さまの飾りをプレゼント。小島駅長も、イベント10周年を記念した感謝状を園児代表に贈り、「今年はこの線路がつながって100年というお祝いの年。みんなも電車を見かけたら手を振ってね」と呼び掛けていた。
その後、園児一人一人が短冊を結んだ。「きれいに泳げるようになりたい」と書いた阿部壱太君(5)は「トレーニングも頑張っているよ。短冊は上手に結べた」と話し、蛸井陽葵(ひより)ちゃん(5)は組対抗で行うリレーの練習が昼休みにいっぱいできるよう「ご飯が早く食べられますように」と書いたという。最後にみんなで願い事がかなうように「たなばたさま」の歌を歌い、集まった乗降客や保護者らの拍手を浴びていた。
七夕飾りは先月26日に設置。短冊を用意して、駅を訪れた人たちにも願い事を書いてもらっている。8日の昼まで飾っている。